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内容説明
1981年3月、アルプスのモン・ブランへスキー登頂に挑んだ著者は、吹雪で登頂を断念、スキーで下山中、ヒドン・クレバスに落下してしまった。16時間後に救出されるが、体温は28度の低体温。 苦しいリハビリの後に回復し、専門医となった著者は、自分の体験をふまえながら、国内の事例から低体温症のメカニズムと恐ろしさを詳述している。 著者の船木上総氏は、北海道大学医学部卒業の循環器内科医で、現在、苫小牧東病院副院長。
目次
<目次・内容>
プロローグ「モン・ブランへの道」
第1部 クレバスへの落下
モン・ブラン滑降計画
ヒドン・クレバス
十六時間後の救出
蘇生
リハビリテーション
記憶力の回復
第2部 低体温症
体温調節のメカニズム
低体温症の症状
低体温症の原因と予防
山での低体温症症例
低体温症・山での治療
エピローグ「未来へ」
あとがき
文庫のあとがき
解説 急激に悪化する低体温症
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gtn
25
モンブランでスキー滑降中クレパスに落ち、16時間宙づりになり、奇跡的に救出され著者。本書は、事故よりも、その後の療養・リハビリに記述を割いている。低体温症は生死を左右し、後遺症の可能性大であることを知る。著者が数少ない生還者となったのは、家族、仲間、彼女の励ましがあってこそ。孤独は、死と親和性がある。2023/02/10
Kouro-hou
22
著者は医学生時代(現在は医者)にモンブランに山スキーに行ってクレバスに落下。27m落下するもザックの紐が引っかかり、16時間後に救助されたいう経歴の持ち主。大変な幸運に恵まれて生還するも(頭部負傷の影響で事故当時の記憶は無いそうな)、体温は27度まで下がって低体温症になり、ザック紐で圧迫されて死んだ筋肉細胞が腎臓に詰ってクラッシュ症候群で死にかかる等、遭難から救出された先が長いんだとしみじみ。本の前半は約一年に及ぶリハビリの記録です。後半は人体の体温維持の仕組みの話で恒温動物スゴイ!という気分になれます。2015/12/22
kotte
16
冬山は恐ろしいですね。少しの油断やミスが大きな悲劇をもたらすのは冬山の過酷な気象条件のせいでしょう。著者が生還できたのは奇跡といってもいいぐらいの事案だと思いますが、助けてくれた人々の話を読むと、著者は周囲の人に恵まれており、そのおかげで助かったのだと感じます。登山はしませんが、低体温症の知識が身につき、よかったです。2017/06/08
Tenouji
8
ロングのトレイルレースで低体温症になったことがあるので、非常に興味深く読んだ。夕暮れ時の山中で、体温が奪われる度合いの方が、自らの発する熱よりも大きくなってしまったのか。あの時は単なる疲労だと、全く自覚症状が無かった。2015/06/03
レコバ
4
後半の低体温症に対抗するための生理が興味深かった。脂肪はコアを外気温から守る為の防寒性は有していても、エネルギー源としては利用できない。前半の雪山遭難からリハビリの流れについては、あれだけの体験をしても、また雪山に戻るんだな~。2019/04/18