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内容説明
ワイヤ駆動のヒューマノイドが、実はウマにそっくりだった! 自走するお掃除ロボットは「生きた化石」に酷似していた! ガラスを割らずに掴むロボットハンドが似てしまった、人体の意外な一部とは? 技術の粋を詰め込んだ先端ロボットが、なぜか生き物の体構造に近づいていく――。工学の視点から初めて見えてくる「生体」の精巧な力学構造を解き明かし、生き物の限界を超えるロボット機構学の挑戦を語る。(ブルーバックス・2012年4月刊)
目次
1部 「まねる」と「似てしまう」のあいだ(それは「似せる」ことから始まった)
2部 ロボットはなぜ、生き物に似てしまうのか?(巨大ショベルカーとゾウがそっくり!?―ロボットも生き物も、力学法則から逃げられない 「足を動かす順序」まで似てしまう!?―生き物はいつも先手を打っている ほか)
3部 ロボットを誘惑する生き物たち―工学から見た生き物のからだの機能美(ロボット設計者が憧れる究極のモータ―ロボットはなぜ、握手が苦手なのか? 神は細部に宿る―思わずまねたくなる生き物たちの微細構造 ほか)
4部 神に挑む―「生き物を超える」ロボット作りを目指して(神様に素朴な質問を投げかけてみる―人間にはなぜ、2本しか腕がないのか?)
エピローグ 「カンブリア紀」に向かうロボットたち―ロボットはなぜ、急速に“進化”できたのか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
143
内容はとても面白い。ロボットはまだまだ理論だけではダメで大胆な着想ととんちのような発想が試されるらしい。コンピュータのように純粋な数字の整合性だけではなく立体として構成する制約がある。その中で最高の能率を追求すると・・・何かに似てしまったという。神様も工学者も同じ目的に最適性を追及すると、結果も似てしまうということか。この問いかけ形式の表題は最近すごく多い。ちょっと食傷気味・・・2018/11/28
GaGa
37
力学の構造上、ロボットを作成するに至っては、現存する生物の関節をモデルとしないといけないため、そのこと自体で生物にすり寄っていることは否定できない。そういうことをすべて真っ新にしてロボットを作らないと生き物に似ないロボットは生まれることはない。でもそれを超える想像力が育つ時代が来ると思う。というか思いたい。それこそが進化と言うものだと思う。2012/09/04
calaf
11
生物に関して、その創造者に関して著者は「神」と何度もと書いているけど、何だか微妙な感じ。まぁ、一般向けのブルーバックスならこういう表現の方が良いのかもしれませんが。それにしても、意図の有無にかかわらず、最新のロボット技術って生物の機構と似ているのですねぇ...そしてある面ではそれを乗り越えようとする段階に来ているらしい...2012/11/20
三色かじ香
6
個人的には、最終章のロボットと生き物の違いの方が興味深かったかも。生物は、現地生産方式だから加工しやすい(ゆえに腐敗しやすい)材料でできてる、とか、末端にも供給ラインが必要だから車輪構造をとり入れにくい、とか。類似の話では、自由度と冗長性の話が好き。2019/01/05
gentleyellow
5
めちゃくちゃ面白い。特に、人間も四つ足で静歩行をするとほかの動物と同じになること、人間の腕は自由度が一個冗長となっていること、生物が車輪を使わない理由についての考察が特に面白かった。たまに読み返して、完璧に用語とかを覚えたい。2017/01/19