内容説明
2011年4月9日、脱原発活動を宣言。仕事減、恋人との別離、刑事告発、ネット上での誹謗中傷の嵐…。でも「後悔は何ひとつしてへん」。原発廃絶に向けて芸能界でたったひとり闘い続ける役者・山本太郎の活動の軌跡を追うノンフィクション。「原発はいらん、イヤや」って意思表示するだけに、何でここまで悩まなアカンねん。(本文より)
目次
ドイツ(2011.11.24‐12.5)
序章 太郎、未来の旅から帰る。ドイツかベラルーシか、25年後の日本は?
郡山(2011.10.15)
第1章 なぜ立ち上がったのか
大阪(2011.10.16)
第2章 おいたち 鬼軍曹の母と役者体験
東京(2011.10.30・11.4)
第3章 そして再びメロリンQ
追記 「ひとり舞台」は続く(日本外国特派員協会・記者会見より)(2011.12.20)
年表 3・11事故発生からの経緯
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Y2K☮
30
10年振りに再読。国の隠ぺい体質はいまも変わっていない。民主党も自民党も一緒。メディアの欺瞞もそう。結局はカネ。番組スポンサーとかパーティー券とか。何をするにもお金が必要なのはわかるけど「カネ儲け至上主義」は別の話。これを大人の事情で正当化すると目が曇り、腐敗が生じる。ならば方法論としての大組織化は避けるべき。「読書のすすめ」の清水克衛さんが掲げる「一人庶民革命」を著者も体現している。少数野党の乱立は与党の思う壺という見方もあるが、いまは過渡期。淘汰され、新たな形で連立していけば。この人に賭けてみようか。2022/08/13
イチイ
4
2011年の東日本大震災直後から始まった山本太郎の脱原発活動の活動報告書。まだ議員になることなど想像もしなければ、現実的な選択肢にも挙がらなかった時期のことがまとめられている。そのためあくまでタレント・俳優であった山本が、脱原発という意見を表明しデモの現場に足を運ぶようになったことで何が起きたのかということが様々に書かれている。その記録を読むと、彼のような意見表明をすることは、現実的なリスクを伴うのだということがよくわかる。2019/09/24
タックン
4
山本さんの行動に興味を持ち、ずっと、読みたいと思っていた一冊。思ってたより軽いタッチで描かれています。難しい事では無く、間違っていると感じたから行動しただけのこと。この人は非常に素直で、真っ直ぐな人だと感じました。中盤に、お母さんのことがたくさん書いてあるのですが、この方の影響が大きく山本さんに出ているから、こんな思い切ったことができるのだあと感じました。原発のことの書いてある本やと思いきや、関係のない「山本太郎の作り方」的な内容に共感してしましました。今の日本の実態をわかりやすく理解できる本です。 2013/01/29
taisho173
3
なにが正しくてなにが間違っているのかも判断できない原発問題に対し、自分の中に信念を持って原発に真っ正面から立ち向かう姿勢には感銘を受けた。僕自身原発に対してはまず知識もなく、時が経つにつれ関心も薄れ、大体の人がそうであるように意見をもっていない。しかし、脱原発を唱える大人の方が「これからの未来の為に」と信念を持っている以上、若い世代はこの問題に対しての理解を深める責務があるのだろうと思わされた。 ただ、この本が自伝としての色を強めすぎていたこと、山本さんが「ひとり」という所を押しすぎていたことは残念。2012/02/06
ghc15575
2
脱原発、行動して発言する勇気は買うし、情熱的ですごいと思います。 だが、他の発電手段で日本を保つにはどうしたらよいのか、提示するまでしてほしい。 原発無しにすれば、資源獲得のために莫大な対価を払わなければならないのを承知で行動しているのでしょうか? 代替案無しで何でも反対では、イマイチ説得力に欠けると思います。 確かに、原発推進派のやり方には納得できない部分があるが、脱原発+代替エネルギーの話しも込みで訴えてほしい。2019/08/17