講談社現代新書<br> 弱者の居場所がない社会 貧困・格差と社会的包摂

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講談社現代新書
弱者の居場所がない社会 貧困・格差と社会的包摂

  • 著者名:阿部彩【著】
  • 価格 ¥913(本体¥830)
  • 講談社(2014/11発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062881357

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内容説明

貧困問題の新しい入門書。誰でも「居場所」「つながり」「役割」を持って生きていたいと願う。そのキーワードとなる「社会包摂」なしに、これからの社会保障政策は語れない。気鋭の研究者が、熱く熱く語る。(講談社現代新書)

目次

プロローグ 社会的包摂と震災
第1章 生活崩壊の実態
1 衣食住の崩壊
2 公共料金、保険料、借金
3 貧困は健康を蝕む
4 震災の長期的影響
第2章 「最低生活」を考える
1 「貧困」ってなに?
2 貧困の定義
3 「最低限の生活」に必要なおカネ
4 ミニマム・インカム・スタンダード
第3章 「つながり」「役割」「居場所」
1 社会的排除と社会的包摂
2 関係からの排除──つながりがあるということ
3 仕事からの排除──役割があること
4 場所からの排除──居場所があること
第4章 本当はこわい格差の話
1 排除と格差
2 格差と人間関係
3 格差とコミュニティ
4 格差と健康
5 格差の増幅
6 日本の格差は海外でどう考えられているか?
第5章 包摂政策を考える
1 ホームレスのかっちゃん
2 これまでの社会保障を考える
3 社会のユニバーサル・デザイン化
4 ユニバーサル・デザインな働き方は夢か?
第6章 インクルーシブな復興に向けて
1 阪神・淡路大震災の教訓
2 震災後の社会政策を考える
おもな参考文献
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

50
社会的包摂という言葉を初めて知った。簡単にいうと「社会に包みこむこと」。社会から追い出される社会的排除との関係、絶対貧困と相対貧困のこと、「役割」「居場所」「つながり」のことなどがわかりやすく書いてあった。ここでいうつながりはイマドキの薄っぺらなつながりではなく、最後の一本のロープのようなものだ。そのロープを排除されようとする者同士が淡々と持ち協力するホームレスのエピソードには考えさせられた。誰しもが「居場所」さえあればその先があるが、今はその居場所すらも排除されようとしていることに憤る・・2015/08/06

mana

39
10年前の本なので、多少データは変わっているだろうが、ためになった。社会から切り離され、自然と貧困に陥っていく「社会的排除」という現実。「社会的包摂」、ユニバーサルデザイン的な快適な社会を実現すれば、富裕層や障害を持たない人などにとってもより生きやすくなるだろう。どうすればいいのか考えれば考えるほど難しい…。単純に能力主義や社会の構造で片づけてはいけない問題。2022/11/02

ヒデミン@もも

38
「最低生活」を考える。日本人の自己責任論。清貧。携帯電話などの強制的消費。2016/05/23

みゃーこ

28
格差がさらなる格差を生み排除の構造を理解する「マタイ効果」。「役割」「つながり」「自尊心」を奪い合いその回復合戦が「弱いものがさらに弱いものを叩く」構造につながっていく。人間の本質を理解するとともに、負の構造を打開する策として「社会的包摂」として「ユニバーサルデザイン」弱者、貧困者に原因と解決を依存する「自己責任論」ではなく「障害は排除を生む社会の側にある」として「何がどんな仕組みが排除を生み出すのか」に解決を求めることと提案している。社会の構造を背景に一個人が何をどこまで変革に関与できるのか。2012/11/04

としP

23
経済的貧困が精神的貧困を引き起こす。/【社会的排除】金銭的・物品的資源の不足をきっかけに、人間関係が希薄になり、社会の一員としての存在価値を奪われていくこと。/「孤立」の本質は、誰も自分を必要としない。ワーキングプア問題は、収入の多少であると同時に、そこに自分の存在価値が見出せないというところにある。/ 人間は自分と似た社会的地位にある人と交流し、仲間意識を持つ。なので、格差の大きい社会ほど、社会的地位の低い人を差別する傾向が強い。人を信頼しない。暴力や殺人が蔓延する。女性の地位が低い。平均寿命が短い。2017/11/19

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