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内容説明
私たち自身を含めたこの世界のすべてが量子力学が扱うミクロな物質から成り立っていることを考えると、ミクロの世界の「真の姿」を理解することは、私たちが日常的に生活しているこの世界を、ひいては私たち自身を理解することにもつながるであろう。本書の目的は、量子力学が私たちに示す世界像についてこれまで提案されてきたさまざまな哲学的議論を解説することである。――はじめにより。
目次
第1章 量子力学は完全なのか―量子力学のなにが不思議なのか1
第2章 粒子でもあり波でもある?―量子力学のなにが不思議なのか2
第3章 不可思議な収縮の謎を解け
第4章 粒子も波もある
第5章 世界がたくさん
第6章 他にもいろいろな解釈がある
第7章 過去と未来を平等に考えてみる
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
36
読み始めはまるっきりサイエンスであって、どこが哲学なのだろうと思っていたが、ラスト近くで哲学で議論される話題になり、確かに哲学をしているな、と言える本だった。量子的ふるまいは、常識では理解しがたい部分があるが、私たちがマクロの世界にしか生きていないために、ミクロの常識を理解できないのだ、とも言えそうだ。ともあれ冒頭のスクラッチカードの議論が理解できたら、あとはスムーズに読める。楽しい本である。2014/07/08
mitei
35
光とは何かを考察されているところが興味あったが、ちょっと難しい内容だった。2011/11/19
白義
15
スクラッチカードをめくって白だった場合、対となる遠方にあるスクラッチカードも瞬時に黒になってしまう……そうした量子力学の奇妙な現象をどう整合的に解釈するのか、その多彩な議論を紹介していく量子力学解釈カタログといった趣の一冊。そのためシュレーディンガーの猫やら不確定性原理と量子力学について最低限の知識があってからのほうが面白い。そうしてその最低限を踏まえると、標準解釈や多世界解釈だけでなく、観測者の心の二面性、多層性を確率の収縮に考慮する多精神解釈や、未来が過去に影響を与えるとする理論の面白さもわかってくる2020/12/10
mazda
15
やっぱりよくわかりませんでした…。2016/06/09
プラス3
11
量子力学のモヤモヤ~とした部分を、ある程度までスッキリさせてくれる本。でも読み終わると、さらに謎が深まってしまったでゴザル。解釈問題はコペンハーゲンと多世界解釈ぐらいしか知らなかったので、時間対称化のはなしはワクワクできた。ちょっと量子力学を勉強し始めた~くらいの頃に読むのがベストな感じ。量子コンピュータの本を読む前に、読んどけばよかったな。2013/08/26