幻冬舎文庫<br> タチコギ

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幻冬舎文庫
タチコギ

  • 著者名:三羽省吾【著】
  • 価格 ¥715(本体¥650)
  • 幻冬舎(2016/02発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784344417250

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内容説明

不登校の息子を連れて故郷に帰った柿崎信郎。30年ぶりの帰郷が「あの頃」の記憶を呼び覚ます。1978年、まだ柿崎がノブと呼ばれていたあの頃。そこには5人の友達がいて、鉱山があった――。今よりも遥かに貧しく辛かった時代に生き生きと過ごしていた少年が父になった今、息子に何を伝えられるのか。汗臭くも繊細な少年時代を描く傑作青春小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

papako

40
昭和だ〜。こきたなくて、うるさくて、めんどくさい男の子の生態が描かれている。なんだか懐かしく、ちょっとせつないお話だった。自分の子供の頃もこんな感じだったなぁ。子供のまわりに、関係ない大人がいて、社会化が行われていた。これってとても大事だったんですね。犬と一緒で子供の社会化ができていないとうまく行きていけないのかしら。辛い現実をさらっと読ませてくれる作者の作品が好きです。2014/08/04

MOKIZAN

16
1978年の少年時代への回顧を芯とした、四十親父の里帰り記。お陽さま燦々というより、いつも土埃と連れ添っていたような心象描写、こういうのも確かな過ぎ方だった。郷に入って懐かしむというよりも、何とも忘れきれない 強い苦みが漂っている。齢とって疲れてくれば、こういう思い出し方しちゃうこともわかる。夢見まで悪くなりそうなんだけど。行き掛けあれだけ気にしていた息子のことが、お座なりのまま閉じてしまったことは、不思議だった。他作を読んでみたい人ではある。2015/11/06

ヤスヒ

14
祖母の訃報を受け葬儀に出席するため柿崎は不登校になってしまった息子の智郎を伴ってかつて鉱山のあった故郷へ向かう。30年ぶりの帰郷。柿崎は故郷に着くとかってこの町で過ごした少年時代の記憶を呼び覚まして…という幕開けのストーリー。昭和という懐かしい時代。泥くさくも生き生きとした少年時代の回想が主体となって描かれている。田舎暮しの経験はないのだが情景が目に浮かぶようでなんだか懐かしい気分になった。あともうひとつのテーマは父親が息子にどのようにして向かい合うべきかという事。⇒(コメント欄に続く)2012/08/13

Shuhei Amaya

10
『厭世フレーバー』以来、三羽省吾ファンになった私は書店で三羽作品を見かけると必ず買うようにしている。軽い文体にちょっと重めテーマ。大好きです。この作品も作者も、もっともっと人気が出てもいい気がするなぁ。2013/06/02

ならのみやこ

5
結婚して子供ができたら再読したい一冊。 ウネリンやダゼ夫達が現在どういった毎日を過ごしているのかが気になる。 柿崎は葬儀屋の正体にいつ頃気がついたのだろう…2012/10/12

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