角川ホラー文庫<br> 捕食

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角川ホラー文庫
捕食

  • 著者名:渡辺球
  • 価格 ¥770(本体¥700)
  • KADOKAWA(2014/12発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784043944347

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内容説明

就職活動に失敗し、レストランの契約社員として働く輝は、ある日、年下の上司からカードスキミングを指示される。解雇を恐れ、心を無にしてそれを実行するが、愛人の雪と来店した常連客・黒川に見破られてしまう。罪を着せられ、解雇を告げられた輝に、黒川が誘いかける。自分の運営団体「ライフキュアセンター」で働かないか、と。それが、地獄の始まりだった――。現代社会の歪みに落ち込んだ者たちの末路とは。傑作長編!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Bugsy Malone

71
嫌だなぁ。嫌な世の中だなぁ。ちょっと間違えたり勘違いして生きているとこんな事にもなっちゃうんだろうなぁ...と、とっても身につまされちゃう程嫌ぁな話だった。でもね、そんな話を嫌ぁだと思わせながらグイグイと読ませちゃうのは凄いことだなぁと。いつ、どこで、何がきっかけで自分もこんな状況に陥らないとも限らない世の中、そういう意味では、現実に潜む一番怖いホラーといえるかも。2021/07/13

まつじん

18
ありがちな話の進め方、複数の登場人物のモノガタリが絡み合ってつながり、最後にドーンとぶつかります。それでいてラストはちょっぴりハッピーエンド風にまとめてます。それではホラー文庫としていかがなものかと思いつつも、”風”なだけでやっぱりあちこち”痛い”ホラーなのでした。2011/12/10

よっぴ

11
ノワール、転落。。序盤〜中盤は登場人物の生い立ちをショートストーリーに書き、後半は収束してから展開していく構成。各人物がとても痛いやつらばかりで破滅ばかりを想像させられます。。人物は、サングラスが似合いそうな男、少し頭が弱い暴れん坊、狂った父親、虐められた経験を持つ者、孤独すぎる美人など、ノワールという型にハマった、ひしゃげている奴らがたくさんで、期待通りです。また実はとても読み易い本であり、気に入った読者は1日で読み終えるでしょう。正直、単純に面白いです。読了感も最○では無く試す価値はあり!2016/11/10

晴れ女のMoeco

8
今回は架空のスラムではなく、リアル東京のリアル貧困。「どこかで搾取されている」は、「俺たちの宝島」を感じるけれど、えぐいえぐい! 氷河期世代で、ほんの不正に手を染めたばかりに...という青年。うつ病の教師、死んだ姉の年を数え続ける両親に育てられ、愛情の欠落を男で試す雪。複数の視点で語られる物語が、繋がりが見えたと思うと凄惨なほうへ!ただ、元市役所職員70歳の発想が、一番小市民っぽくて、男はいくつになっても自己認識は「オス」なんだなぁと感じる。2019/09/15

晴れ女のMoeco

4
「グロ好き」といわれる私ですら、本を閉じたくなるくらい凄惨な方向へ転げ落ちていく話。うつ病の教師、死んだ姉の年を数え続ける両親に、愛情の欠落を男で試す雪。複数の視点で語られる物語が、後輩に繋りが見えてきて、あぁ渡辺球はやはり力があるなぁ、なんて。うつ病の教師が、病的な潔癖性ぽいところが、私の知ってるうつ病のケースに似ていて怖かったな。娘のことを、「俺の一匹の精虫にすぎない」と表現している時点で、もういっちゃってるわ。皆イっちゃってるけど、皆自分はまともだと思っているんだろうねぇ。2011/11/03

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