内容説明
真夏に自然科学部の熱帯魚が凍死した。調査を依頼された「探偵体質」の高校生・立花真樹(たちばなまさき)は、自然科学部と生物部の抗争に巻き込まれてしまう。文化祭を利用して生物部への「復讐」を目論む彼らだったが、当日、生物展示室を襲ったのは、予想外の凶悪爆破事件だった。双子ゆえの「傷」をも描くシリーズ第2作。(講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とも
36
シリーズ二作め。今回も魚の蘊蓄が凄まじかったです。難しいけど興味深くて頭パンパン…ただはじめのうちは感心してただけだったグッピーの話が段々と頭の奥に染み渡っていって読み終わった後は色んな意味をもって今も沈んでいってます。立花兄弟は双子だけどひとつ踏み込んだキャラクターやそれぞれが秘めている思いが見えてきて続きが楽しみです。2015/10/23
ヒロユキ
31
再読。相変わらずお魚蘊蓄が面白い、読んでいて途中まで飼いたいと思ってしまうほどに。ただ後半まで読めばものぐさな自分では無理だと思い知らされる。やっぱり実際に飼うより第三者として観賞するくらいがちょうどいいのかな。推理小説を読んだはずなのに感想がお魚のことばかりという不思議(笑)2013/03/06
ヒロユキ
31
前作がアレで、今作がコレとはまた極端な(笑)美樹が見せた前作とはうってかわっての年相応の人間らしさと違い、推理マシンが終盤で見せる人間らしい部分は壮絶。アクアリウムとシェイクスピアの蘊蓄が見事に伏線になっているのは驚きです。2011/09/13
nins
29
「タナトス」シリーズ第2弾。アクアリストの興味はつきない。お約束のように、前半はこれでもかというくらい深い熱帯魚の蘊蓄。本編の軸に辿りつくまでが大変。息を抜くと置いて行かれそう。この山を越えると一気に動く事件。今回は学園が舞台。トリックは難しいものでもなく、犯人の謎も同じ。事件の背後に隠された心情の方がメイン。双子の人間からはみ出た存在と世間との隔たりを考えると、普通側にいた高槻刑事が自ら「慣れ」で、双子の側に染まってきているので役交代か。そこで登場の普通代表の高校生、矢部くんはさりげなく今後に期待。2011/08/10
ひろみ
21
タナトスシリーズ二作目。学園祭でのひと悶着。今回メインになるのはグッピー且つメンデルの法則…あとハムレット。相変わらずミキちゃんの蘊蓄は凄まじい。死神体質は相変わらずで、やはり学園祭でも事件が起きてしまうわけで。その事件の真相に驚かされつつ、ミキちゃんのあの話が…とてもつらい。2015/04/22