内容説明
人気シリーズ第3弾は胸を打つ『話』の特集
團伊玖磨がアサヒグラフで36年間書き続けてきた名随筆1842本の中から厳選してテーマ別に刊行している『パイプのけむり 選集』シリーズ。
第1巻『食』、第2巻『旅』に続いて第3巻が登場。
今回のテーマは『話』。笑える話、驚きの話、美しい話、思わず涙する話…。座談の名手が贈る多彩な『話』の特集。
戦後の復興を見つめてきた團氏。戦争、災害の理不尽さ、それに立ち向かう力、そして人間の優しさを筆に込めてきた團氏の作品は今こそ読むべき珠玉の作品ばかり。心が辛い時こそ手にとっていただきたい1冊。
≪本書より≫
息子が気に入っていたものを割ってみると中には…『化石』。ありきたりな挨拶をやめて新しい言葉を考えてみた…『ずどん』。梅ぼ志飴と猫の関係は…『昇天』。八丈島で遭った地震の時に…『地震』。
解説は著者の『夕鶴』『花の町』などの作品を歌い続けているオペラ歌手の佐藤しのぶさん。
目次
化石
そうすっとお
釣れますか
狸
ずどん
オツキサマチガイマース
ポン
泡風呂
ごっこ
昇天〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
95
以前から音楽家の書く文章は文学者のものと同じくらい、面白く味わい深いと思っている。音という精妙なものが扱えれば、文字を操るのはそれほど難しくないのかもしれない。「パイプのけむり」は作曲家の團伊玖磨氏が36年間書き続けたもの。この本は「話」をテーマに集成されたもので、一読して忘れがたい話が多い。何気ない日常の中にある驚きや感動を、格調高い文章で描いている。私が一番好きなのは「神々の朝」だった。ある女性に起こった奇跡のような出来事を書いて、普通の人々が持っているひたむきさや優しさを讃えた一篇。2015/02/07
ほりん
27
作曲家團伊玖磨のエッセイ「パイプのけむり」の選集。昔,このシリーズはかなり読んだ。「まだまだパイプのけむり」とか「も一つパイプのけむり」とかタイトルも楽しかった。解説で声楽家の佐藤しのぶが「そこにあるものを当たり前と思わないで,なぜ,どうして,それがそこに存在するのか先生は追及しないではいられないのです。その探究心が,非凡と凡人の分かれ目」と書いている。文章も面白く,安心して読める。折に触れて,読み返したいシリーズ。2015/03/18
佐島楓
15
あたたかくて、優しくて、ユーモアもあり、ちょっと泣かせる。素晴らしいエッセイ集のシリーズ。ほかの方も書いていらっしゃったが、選集では物足りない。全部復刊していただけないだろうか。2012/07/29
sawa
4
★★★★★ とうとう第三弾が出ました。次々刊行されてもらいたいものです。思わず笑っちゃう話、微笑んじゃう話、涙ぐんじゃう話。あーいいなあ。2011/06/25
ナチュラ
3
團伊玖磨さんのエッセイ『パイプのけむり』シリーズの選集。この本では、團さんの交友関係、人脈を知ることができて、本当に凄い方だったのだと改めて驚かされた。2013/02/18