内容説明
桜の木の下で、花びらを握り締めた男の死体が発見された。中学生の桑原崇(くわばらたかし)が想いを寄せる、女教師・五十嵐弥生(いがらしやよい)は事件に関係があるのか? 崇の淡い失恋、棚旗奈々(たなはたなな)のファーストキス……小松崎、御名形らの学生時代が綴られ、いつしか複雑な糸は、1本の美しい「縁」となる。切なくも眩しい、QED青春編! (講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
49
QEDのエピソード0のような印象を受けました。過去が語られつつ、それぞれが少しずつ繋がっている。短編集ですが、四季によって織りなされているのも洒落ています。それぞれの結末がほろ苦いのも良いですね。2023/06/27
ポチ
43
タタル、奈々、熊崎、御名形らの若かりし頃の話。ちょっと休憩と言った感じで、これも良かったです。何気に『縁』で繋がってますね(^^)2016/12/18
ヒロユキ
41
いつもの蘊蓄成分と比べるとQEDシリーズとして少し物足りない。あの凄まじい蘊蓄量がクセになってるのかな。連作短編として繋がり、縁で魅せる物語は面白かったです。2013/04/20
佳乃
31
河童伝説を読んでどこかで「海妖坊」に出会ってるけど、どこで?って思っていたらここでだっだのね。それぞれの青春時代に縁として結ばれていた4人?なのだが、ここで海妖坊に出会っていたのはタタルではなくて熊崎さんだったんだな。この本を読むと本当に縁って不思議で面白い。そして熊崎さんのあのくしゃみはこのときからなんだもんなぁ。タタルの初恋もすてたもんじゃないが、次回からはもうすこしばかりあの二人に進展があればいいのだが、箸休めの青春(縁)楽しかった。2017/09/18
ミエル
29
文句ばかり言うのに読んでしまうのは「きらいきらいもスキのうち」の心理。でも久しぶりに読んだQEDシリーズは当たり。エピソード0的なストーリー、なかなか。土地と時間を超えてつながる事件のそこかしこに、タタル周りの人達が絡む。それぞれの事件の顛末がほろ苦いのは良かったんだけど、相変わらず犯罪の動機が2時間サスペンスっぽい。安っぽい殺人、これも魅力のひとつと思っておこう。2022/11/02