角川文庫<br> 幻燈辻馬車 上 山田風太郎ベストコレクション

個数:1
紙書籍版価格
¥836
  • 電子書籍
  • Reader

角川文庫
幻燈辻馬車 上 山田風太郎ベストコレクション

  • 著者名:山田風太郎
  • 価格 ¥814(本体¥740)
  • KADOKAWA(2014/07発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784041356616

ファイル: /

内容説明

華やかな明治期の東京。元藩士・干潟干兵衛は息子の忘れ形見・雛を横に乗せ、日々辻馬車を走らせる。2人が危機に陥った時、雛が「父(とと)!」と叫ぶと現われるのは……風太郎明治伝奇小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

syaori

69
明治15年、維新の記憶も薄れておらず、政権の中枢を固める薩長閥から疎外され落魄した武士の子弟が、政府が欧化政策から除外した自由民権を呼号する時代。元会津藩士で、維新では賊軍として辛酸を舐め、西南戦争では息子を亡くし、現在は東京で息子の残した孫娘と辻馬車屋を営む干兵衛を中心に物語が進みます。上巻では、その馬車の客となる自由民権の壮士・来島恒喜、坪内逍遥、山川捨松といった人々とのドラマによって武士の世から近代へと移ってゆく時代の光と闇が虚実取りまぜながら描かれて、その作者の筆に唸らずにはいられません。下巻へ。2023/05/23

NAO

59
高座で乗り合い馬車のラッパを吹いたことから「円太郎馬車」という呼び名が生まれるもととなった噺家の円太郎と創作怪談噺で有名な師匠の円朝を引き合いにして幕が上がる『幻燈辻馬車』。馭者は息子を西南の役で亡くした元会津藩士。馬車に乗る孫娘が「とと」と助けを呼ぶと、父の幽霊が危難を救いに現われる。時代と政治体制が大きく変わり、不公平感に憤る者が多い中、自由党の不穏な動きに巻き込まれていく親子馬車。怪談とサスペンスがミックスされたような、一風変わった時代小説。2022/01/13

優希

44
面白かったです。文明開化の音がする東京。日々様々な人々が行き来する中でのロマネスクの香りがしました。2021/12/28

よっちゃん

20
「会津の怨念と民権運動」対「三島通庸に象徴される薩長藩閥政権」という対立軸を巡って、誰が敵やら味方やら、一寸先は闇とばかりに複雑怪奇な紆余曲折を描いている。さらに言えば、時代はすでに明治15年から明治17年である。そこでは完成された薩長藩閥の権力構造に対して民権運動という新しい価値観の対立軸がある。だから特に「会津の怨念」は変容し風化し、あるのかないのか分からぬ亡霊じみた存在となって消えつつあるのかもしれないと………思わせぶりな干潟干兵衛の心境に当時の世相を託しているところが見どころだ。ただしかなり難解。2016/02/10

おぎにゃん

18
いきなり登場する幽霊…でもこの幽霊、見た目は表紙絵なんだけど…そこは鬼才天才山田風太郎、一筋縄ではまいりません。登場人物も、鞭の名手で元会津藩の腕利き同心と、滅茶可愛いその孫を主人公に、歴史上の有名人がこれでもかと登場して、帝都東京を舞台に波乱万丈、豪華絢爛、総天然色の大捕り物を繰り広げる…読んでいてとにかく楽しい。まだ半分も残っていることが嬉しくて仕方がない。臨場感も半端ないし、明治の息吹がガンガン伝わってくる。これでもまだ前半なのだ。後半はどうなるんだろう…号泣必至みたいだが、とにかく楽しみである。2015/12/15

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/750880
  • ご注意事項