内容説明
英雄アキレウスを特異点とする、地球&火星の大争乱の行方は? SF叙事詩堂々完結!
〈神智圏〉の化身、上位存在たるプロスペローにより、ハーマンは古典的人類へ伝達すべき大量の知識を脳内に詰めこまれた。彼は愛しい妻アーダのもとへ帰るべく、果てしなき旅に出る。一方、イリアム平原における戦況は激変していた。怒れる神ゼウスが、ヘラをはじめギリシア勢を支援する神々に鉄槌を下したのだ。神々の庇護を失なったギリシア軍勢は、今にも壊滅しそうに思われたが!? 巨匠のSF叙事詩、ここに堂々完結! /掲出の書影は底本のものです
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けいちゃっぷ
6
『イリアム』を読んでから、そろそろ1年経とうとしているので手に取ることに。 細部はほとんど忘れていたが、そんなことはお構いなしに物語はグングン進む。 ところが2巻に入った頃から何だか読むのがしんどくなった。 単純に考えれば「善」と「悪」の対立みたいだし、予定調和的に終わりそうな雰囲気もあるし。 『イリアム』の圧倒的な迫力に比べるとラストは拍子抜けにも感じられますが、ひとまずはこの超大作を読めたことに感謝いたしましょう。 576ページ 2013/05/09
魔魔男爵
5
解説で「ベビーニユバース」という誤植があって萎えた。SFもホラーもミステリも書くシモンズは好きな方だったが、『イリアム』とこれ読んでシモンズは呆け老人になったと認定します。これ以前の未読は読むがこれ以後の『テラー』等はもう読みません。ジェンダー視点が良かったシモンズであるが、本書では、異性愛はノーマル、同性愛はアブノーマルと言ってしまったので、シモンズは頭がおかしくなった説を主張します。21世紀文学では、ノーマルではなくてストレートと言うべきざんす。2017/05/04
prosecco
2
ついにオリュンポス完だけど完じゃないけど完。古代ギリシャと未来の地球と未来の火星のパラレルマップを駆けるヒトと人後のヒトと超越した知見や異形のスーパーパワーに木星方面から馳せ参じた良心、パラレルに散開した大風呂敷をそこそこ畳んで一旦は大円団、それぞれ落ち着くべき処に落ち着いてはいるものの、さらなる伏線が散りばめってるのに終わりってどゆこと?で解説からオトナの都合による未知の続編にして当初の完結編の非存在が示唆される不合理さ、待たせてもらってもいいのかしら、と。ずっとずっと。2018/07/19
可兒
2
911の後だからか古代ギリシャが元ネタだからか、ハイぺリオンシリーズに比べてヨーロッパやユダヤ・キリスト教世界の優遇が目立つ気がする。あと結局解決してなさそうな問題がいくつかあるので後ろ髪の気分2014/01/31
かみけん
1
イリアムから通算すると3000ページ以上。ときどき現れる、アステロイド原産の機械人モラヴェックがものすごく魅力的で癒され、楽しく読了した。ホメロス、プルーストなどを勉強していつかゆっくり再読したい。2015/05/26