内容説明
日本版ハッブル宇宙望遠鏡を目指す「飛鳥」プロジェクトの若きリーダー、天文学者の刈谷天空は、専門外の領域で「天武天皇は唐の天文学者に操られていた」と発言、物議を醸していた。その刈谷が、遷都千三百年でにぎわう奈良の南、明日香村にある「入鹿の首塚」の前で自殺! 第一発見者である英光大学古代史研究会のメンバーは、刈谷のキトラ古墳にまつわる禁断の研究資料を発見した!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gonta19
71
2010/10/23 Amazonより届く。2015/10/19〜10/20前作の『卑弥呼の赤い罠』に続く歴史物。お馴染み英光大学古代史研究会の面々も登場。主人公の刈谷天星(何故か表紙裏の梗概では天空になってるが)の語る古代史の解釈は面白く読めた。いつもながらのサクッと読める吉村作品であった。早逝されたのがつくづく残念である。2015/10/20
Shoji
30
歴史小説部分は面白かった。ミステリ部分は少々消化不良。私は奈良県民でもあり、歴史も好きなので楽しく読めました。歴史が苦手な方には少し退屈な本かもしれません。2023/01/12
coco夏ko10角
16
前作『卑弥呼の赤い罠』から約三ヶ月、「飛鳥」プロジェクトの若きリーダーの天文学者・刈谷天星は古代史研究でも話題で講演は満員に。古代史研究会のメンバーはその講演含め奈良に研究旅行に来ていたがその途中で刈谷自殺を知り…。『卑弥呼』でも新藤の講釈がメインで事件がおまけといった感じだったけど、今巻も刈谷の講演や雑誌掲載の記事ががっつり。それでもあちらは死に卑弥呼がからんでたけど…。研究会メンバーの出番や活躍ももうちょっと欲しかったな。2022/07/23
まい
3
歴史ミステリーを期待して読むと、歴史的なことと結末が無関係で残念な作品。あの結末なら、別に歴史や天文学や首塚でなくてもよいのでは。歴史的な部分の新説みたいなところは、どこかで読んだこともあったような気がするが、あんなに熱く詳細に語らせといて、終わり方はソレー!?と、字面の通りの意味で期待を裏切る作品。普通のミステリーとしても微妙だった。2011/01/20
agtk
2
歴史の謎パートはなかなかおもしろかった。それに比べて現代の事件は、「ん?」という感じ。あれだけひっぱったのにあの落ちは拍子抜け。とはいえ、前作の「卑弥呼の赤い罠」が気になるので、読んでみたい。2019/09/06