内容説明
福沢が来客相手に語った談話を、自身で綴った代表作。自然科学、夫婦のあり方、政府と国民の関係、教育、環境衛生など、西洋に通じる新しい考えから快活に持論を展開。思想家福沢のすべてが大観できる。
目次
宇宙―宇宙は人知では推測できない事象に満ちている
天工―存在する物のすべてが一定の法則に従っている
天道人に可なり―自然の法則は文明の進歩があってこそ役立つ
前途の望み―人間社会の黄金時代も夢ではない
因果応報―子孫のために文明進歩の糸口を開こう
謝恩の一念発起すべきや否や―自然が人間に特別の恩恵を与えてはいない
人間の安心―勤勉な暮らしにも遊び心は必要
善悪の標準は人の好悪によって定まる―人のいやがる行為をしないのが善
善は易くして悪は難し―安楽を求める心は善につながる
人間の心は広大無辺なり―人生は理屈通りでないからこそ安らかである〔ほか〕