内容説明
徳川慶喜の意向を受け、西郷隆盛と談判、和議をまとめて江戸無血開城への道をつくった山岡鉄舟。清貧をつらぬき、志高く図太く生きた、最後のサムライ。その堂々たる生涯を直木賞作家が描く、渾身の超大作。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
巨峰
59
鉄舟と明治天皇のやりとりに心が洗われました。下巻は、一気に時代の渦の中心に巻き込まれた鉄舟が描かれます。まさに、幕府が滅びようとしたときに、ひかり輝いて現れた存在。乱世じゃなかったら、歴史に名を刻まない人だったかもと思います。2013/09/23
紅香@新刊購入まで積読消化あと4冊⭐︎
35
『かたつむたり 富士にのぼらば のぼるべし 精神一到 何事かならざん』どんな苦境もおのれの気合いで乗り切った山岡鉄舟。。幕末から明治の波乱を一身に受け……よく生きた!!歴史小説を読むと血が騒ぐ。勝っても負けても精一杯生き、死んでいった生命の波動が気弱な心に脈を打つ。人の一生はこんなにも熱く、儚く、尊い。私もよく生きたい。そして自覚する。宇宙界のなかの地世界の鉄舟たちを始め、守り抜いた、彼らが夢見た未来、日本の国の末席にいることを。2015/08/10
B-Beat
35
◎面白かった。西郷と会うために単身で敵の占領地駿府までの決死行。「これを持ってゆけ」とフランスからの献上品のピストルを授ける徳川慶喜。彼に協力する清水の次郎長親分。維新後の徳川家の行く末を案じて静岡に茨城にまたもや東奔西走。静岡の茶の名産地の由来。そして西郷、勝から10年の期限をもって明治天皇の侍従になることを薦められる。若く世間を知らない明治天皇を国家の元首にすべくマンツーマンのコーチ役。淡々としたエピソードながら描かれる情景は鮮やかで心に響く。新たに歴史上の人物を知り得て大いなる満足感がいっぱい。2014/04/16
はるほのパパ
34
幕末から明治にかけて多くの偉人がいたものです。 幕末はだいたい坂本龍馬くらいしか浮かばないが、まだまだ知らない気骨のある苦労人がいた。 まずは自分の利益優先しがちな今日で人生に喝と猛省を促されているような気になる。 理解不足だった幕末の大政奉還から明治初期あたりまでが随分とスッキリした。 読みやすく理解しやすいお勧めの書です。2016/08/23
里季
25
上巻に書いた通りの感想。一押しの作品。2013/09/09