新装版 白い航跡(上)

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新装版 白い航跡(上)

  • 著者名:吉村昭【著】
  • 価格 ¥770(本体¥700)
  • 講談社(2013/12発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062765411

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内容説明

薩摩藩の軍医として戊辰戦役に従軍した高木兼寛は、西洋医術を学んだ医師たちが傷病兵たちの肉を切り開き弾丸を取り出す姿を見聞し、自らの無力さを痛感すると同時に、まばゆい別世界にあこがれる。やがて海軍に入った兼寛は海外留学生としてイギリスに派遣され、抜群の成績で最新の医学を修め帰国した。(講談社文庫)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yoshida

94
薩摩の大工の子として生まれた高木兼寛。理解ある両親や知遇により勉学に励んだ彼は薩摩軍の軍医として戊辰戦争に従軍する。戦時下で漢方医、蘭方医の外科での無力さを知る。外科での西洋医術の優位性を理解し、その習得を渇望する。勤勉と機会もあり、鹿児島と東京で学んだ彼は海軍医官となる。更に英国留学の機会を得て抜群の成績を修め、教授となる資格を得る。帰国する彼を待つものは何か。幕末から維新の社会の激変。素養があり勤勉な高木。機会と努力により立身出世を成す。続く下巻で高木兼寛の更なる波乱の物語があろう。知られざる偉人。2022/12/25

Willie the Wildcat

62
鎖国の齎す時代遅れの技術・技量。師・中村/石神すら、ウイリスの比ではない現実。政界を巻き込んだ英独医学論争が、結果として兼寛の道を開いた感。最新医療はもちろんだが、看護学校を含めた制度の実体験はお金に換えられない経験となったと推察。一方、義父、西郷、大久保、母、そして長女を留学中に喪失。兼寛以上に、留守を預かる富の心痛も計り知れない。変革の代償?5年で培った技と心。もれなく兼寛は応えると信じる!2017/02/26

酔拳2

54
初読みの吉村昭先生。慈恵医大の創設者の話なんだけど、前半は幕末の出来事をずーっと書き連ねてて、進まなかったー。主人公の高木兼寛は幼い頃から勉学に励み、低い身分から医者となった、すごい努力家だけど、彼を支える人々あってこそだな。頑張る人には周りの助けもついてくるてことか。この時代で英語話せて、医者ってすごいよなー。俺なんて未だにTOEIC500点も取れないのに…。歴史とその中での主人公の人生がクロスして書かれていて、歴史物というより、自伝のような雰囲気。2018/03/18

読特

52
登場人物も背景も予備知識なしで入る。薩摩藩の大工の家。主人公は幕末に生まれ西洋医学を志す。努力と実力。人格も手伝い偶然も呼び込む。次から次へ、膨らむ立場。責任も重い。下巻の展開が楽しみになる。…明治の日本。「坂の上の雲」を目指して歩く。その先に何があるかはわからない。ただ、ひたむきに登る。その答えを知るのは後世に生まれた我々。脱亜入欧。3度の戦争の勝利。日本は先進国の一員になる。さらにその先に起きる戦争の結末。この物語の登場人物には知る術もない。…学ぶことは多い。失われた30年。その先は我々も知らない。2023/04/23

TATA

41
恥ずかしながら高木兼寛氏の名をこの作品で初めて知った。舞台は凄惨な戊辰戦争から始まる。戦場での医療現場を目の当たりにし、医師への思いを得た主人公。激動の時代も良き縁に恵まれその才能を開花させていく。栄光の英国留学を終えたところで下巻へ。史実をあぶる作風はその重厚さに厚みを与える。強い関心を保ちつつ下巻へ。2017/06/09

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