寿命はどこまで延ばせるか?

個数:1
紙書籍版価格
¥880
  • 電子書籍
  • Reader

寿命はどこまで延ばせるか?

  • 著者名:池田清彦
  • 価格 ¥750(本体¥682)
  • PHP研究所(2014/04発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784569772073
  • NDC分類:460

ファイル: /

"Reader"および"Reader"ロゴは、ソニー株式会社の商標です。

内容説明

生物は死ぬのが当たり前、と考えるのは間違っている。最も原始的な生物であるバクテリアやアメーバは基本的に死なない。ではなぜ、ヒトに寿命はあるのか? じつは単細胞生物から多細胞生物への進化が、死すべき運命をもたらしたのだ。脳神経系のような複雑なシステムを維持するためには、せいぜい百二十年が最大寿命だという。その生物学的根拠とは何か? 本書は、構造主義生物学者として知られる著者が、寿命や老化の仕組みについて分かりやすく解説する。「代謝と遺伝」「原核生物と真核生物」「減数分裂」「アポトーシス」「がん遺伝子」など、近年の生物学が明らかにした生命の仕組みや最新理論のトピックを紹介。そして、ヒトにとって不老不死が無理だとしたら、遺伝子組み換えやクローン技術によって、寿命をどこまで延ばすことができるかについて考察する。最終章では、超長寿社会の未来を空想しながら、人間にとって寿命とは何かを根源的に考える。

目次

第1章 寿命の起源―生命のはじまりはどこにあるのか(生命の起源についての諸説 代謝システムと遺伝 ほか)
第2章 生物にとって寿命とは何か―寿命をもつことの損得(ゾウリムシに寿命はあるのか 減数分裂とは何か ほか)
第3章 ヒトの寿命は何で決まるのか(分裂細胞の寿命は決まっている 長寿を妨げる要因―病気になりやすい遺伝子 ほか)
第4章 ヒトの寿命は延ばせるか(がんを予防する生物学的発想 老化を遅らせる方法 ほか)
第5章 長寿社会は善なのか(平均寿命があと二十年延びたら? 不老不死の未来社会を空想する)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

月讀命

57
最近思う事がある。寿命を延ばす事が人類にとって幸福であろうか。私が子供だった頃、人口は37億人であった。しかし今は70億人。こんなに増えても、地球の表面積は変わらない。将来、食料は不足し、資源は枯渇し、ひいては地球環境をも破壊する。人間が、長生きすればするほど食料は必要となり、化石燃料等エネルギーを消費する事は周知の事実である。利己的に個々としての人が長生きする事は良い事であるが、反面、俯瞰的に見ると長寿は人類にとって、その子孫に悪影響を及ぼすのではないだろうかとさえ考える。医学を否定するわけではないが。2011/12/20

pitt

6
池田先生の語り口、すきだなぁ。とてもわかりやすかった。逆に寿命が延びてしまうことが怖くなってきた。2018/12/06

K K

5
難しいが面白い。相変わらずの池田節。 大きな細菌の中に小さな細菌、共生説、面白い。 接合せずに分裂して増殖するゾウリムシ。人間とどちらが高等かと思う。 池田さんはドーキンスの利己的遺伝子に反論、生物にとっての重要課題は、動的平衡を保つシステムを細胞分裂を通して次々に伝えること。 人間は、長寿を望むなら複雑なシステムは諦めなければいけない。 高等動物に組み込まれた自殺装置、細胞のプログラム死、アポトーシス、怖い。 超長寿人間は、肺を新システムに変えなければいけないためもはや人間でない。 最後の章が怖い。2017/05/19

がんぞ

5
「長生きは健康に悪い」。ガンとかアルツハイマーとか、寿命阻害要因が高齢にはいっぱい出てくる。デジタル機器に人格を移転させでもしない限り120歳を超えることは不可能なようだ。子孫への愛情もそこに生じるのかも知れない。生物として性的成熟期の三倍とすれば60年が寿命、だがヒトは心臓の鼓動が1億回を超える唯一の種。「救い」としてはいかなる権力者でも自らの寿命を延ばすことはできない、ことか。家族関係が希薄な現代でも肉親の死は寿命を意識させるきっかけになる。介護に疲れ果てて親の死を喜ぶことにならない子は幸福である。2015/12/24

かずら

4
いのちの発生から、寿命がどのようにできたのかを解説する本。タイトルから想像される「人間はどのくらいまで生きられるのか」という話は後半にしかありません。寿命が存在しない生物バクテリアや生命の進化とともに「寿命」が発生していったという部分は興味深く読めました。しかし、人間に関する話の少なさにやはりタイトル詐欺のような気がして腑に落ちない気もします。最後の結論も無理やり取ってつけたような印象があって、なくてもよかったのではないかと思いました。2014/04/30

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/567074
  • ご注意事項