ハヤカワ文庫SF<br> 都市と星(新訳版)

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ハヤカワ文庫SF
都市と星(新訳版)

  • ISBN:9784150117245

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内容説明

遙か未来、銀河帝国の崩壊によって地球に帰還することを余儀なくされた人類は、誕生・死さえも完全管理する驚異の都市ダイアスパーを建造、安住の地と定めた。住民は都市の外に出ることを極度に恐れていたが、ただひとりアルヴィンだけは、未知の世界への憧れを抱きつづけていた。そして、ついに彼が都市の外へ、真実を求める扉を開いたとき、世界は……。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

MICK KICHI

82
NHK eテレビの特集に合わせて。前回の「幼年期の終わり」の人類進化テーマを更に推し進めた、地球回帰の物語。クラークが執筆前に読んでいた「指輪物語」行きて帰りし物語の英雄譚による影響があるとされている。十億年の間、住人の生死を完全に管理し滅びる事のない都市<ダイアスパー>を作り上げた人類は一見ユートピアと思われえる生活に安住していたが、特異存在として生まれた少年、アルヴィンの好奇心に基づく行動から始まって以来の危機を迎える事になる。閉鎖社会、不死、愛情のない世界、価値の転換が鮮やかに深く描かれる不滅の傑作2020/03/18

催涙雨

53
本作に登場する都市ダイアスパーは「十分に発達した科学技術は魔法と見分けがつかない」というクラークの言葉に相当するものではないかと思う。まあこの言葉は創作を指して言っているものじゃあないのかもしれないが、なんにせよかなり魔法的なのだ。わたしが太平楽というかゆとり的というか、そういう性質をもっているせいでこの手の世界を見るとだいたい「いいじゃんこれ、住みたい」とか思ってしまって、主人公に共感できなくなる。作中でも否定されるのはダイアスパーの環境そのものではなく、閉鎖的な構造なのでそう思うのがふつうなのかもしれ2019/02/18

kariya

51
未来を切り拓くのはいつも異端者。遠い未来、生活はおろか人生の全てを不自由なく管理する都市で、人類は世界への疑問も外部への欲求もなく暮らしていた。ただ青年アルヴィンを除いては。設定そのものは古典的設定にも見えるが、読んでみると半世紀以上前に書かれた作品とは思えないほど古臭さがなく面白い。都市という閉鎖空間が舞台ながら、主人公の恐れも限界もない好奇心と未知への希求が閉塞感を吹き払い、希望に満ちた未来への予感と人間性への揺るぎなき信頼が清々しい。21世紀の現在からは少し眩しいが。2009/11/11

いおむ

44
この作品がアメリカで刊行されたのが1956年!それを翻訳し改めて更に2009年に新訳版として出た本を読んだのですが、これが半世紀以上前に書かれたSF作品であるとは思えない!現代に合わせた上での新訳版だとは思いますが、この壮大な時間の彼方の物語は、刺激的でした!解説の言葉をかりるなら「科学をバネにして想像力をはばたかせることで、科学や宗教や哲学がそれぞれ単独では見せられない宇宙像を開示してくれる~統合し更にその先を見せてくれるかもしれない」作品で、面白かった!クラークすげぇ。別の作品も読んでみよう。2017/01/04

Small World

31
新訳のおかげなのか、まったく古さを感じない‼ あれよあれよと世界を広げていく主人公には驚かされますが、読んでると自分も遠くに連れていってもらった感じです。w 都市に引きこもってる人類のイメージや、科学による物理的な世界と精神感応力をもとにした世界と聞くと、他の名作を思い出しますが、これはきっと時代が見せるイマジネーションってことなんでしょうね。2016/08/20

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