内容説明
許婚の帰りを待ちわびながら病に臥せり不帰の客となってしまった姉のかわりに、自分と駆け落ちして欲しいと迫る妹。戸惑いながら妹を妻とした許婚に、信じられない事件が起こる表題作の他、恋人にだまされ遊里に売られ夜来香と呼ばれた女や、犬に正体を暴かれる美貌の妻、はたまた意地悪な後妻と入れかわってしまった死んだ前妻などなど……。世にも奇妙な夫婦の愛と裏切りを描いた、大好評の中国の怪談シリーズ第2弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キジネコ
19
中国の怪談、志異には妖怪や鬼や仙人が多く登場しますが、一番始末が悪くて怖いのは生きてる人間。風刺が効いてて楽しめます。恐怖や叫喚で塗りこめられたhorrorではなく 人の心裏から覗く剽軽さや理解の及ばないものへの戸惑いと愛着の描かれる世界に惹かれます。文化と政治は別物か、どうか…政治も又文化の一部…には異論があるとこでしょうが彼の国が産み出す物語の奥行きが時々恋しくなります。駆け引きや腹の読み合いは 人の常かも知れませんが やはり生きてる人間の始末が厄介の種かも、と思う この頃でございます。2012/06/30
アカツキ
8
「中国怪談」に続く2作目。様々な志怪小説から12作品を選び、原文よりも読みやすさに重点を置いて翻訳されたもの。好きなのは、前妻の子供につらく当たる後妻と前妻の魂が入れ替わる「鬼の後添い」、しつこく追いかけてくる夜叉を撃退する「剣仙の革嚢」。訳者あとがきを見ずに現代の作家による志怪小説風の物語と勘違いして買ったけれど、やっぱり志怪小説は面白いな、好きだなとしみじみ。2023/12/31
kazukitti
2
志怪オムニバスというか。起承転結がはっきりしてるので分かり易いお話だったと思う。2010/11/16
38
2
雨月物語も好きなので、昔の怪談として楽しく読めた。雰囲気が好き。2009/10/29
ゆみ
2
あんまり怪談という感じではなかった。悪い人は悪い。良い人はよい。と区別されていました。多少、想像すると気持ち悪い部分もありましたが、さらっと書いてあるので気になりません。2009/09/29