内容説明
スピーチ原稿、短篇、自作の成績表、書評、自分の質問に自分で答える自己インタビューなどを著者自身が編纂し、全体に自伝的な息吹をあたえるために“つなぎのおしゃべり”を書きくわえた。文学、宗教、核問題など、さまざまなテーマについて、ユーモアと皮肉に満ちた筆致でつづった作品集。
目次
憲法修正第一条
ルーツ
わたしが童心を失った日
選別
自己インタビュー
友人たち
遊び友達
マーク・トウェイン
冗談で人を笑わせることにかけては
困ったこと〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chanvesa
20
「所有な孤独の穴埋めになるかどうかの実験は、人類の歴史を通じて最も豊かなこの国(アメリカ)で行なわれてきました。物を所有すれば、少しは助けになりますが、宣伝文句ほどではありません。それに、いまわたしたちは、そういう生産物の一部が製造過程において、この惑星をどれほど恒久的に痛めつけているかを知っています。(317頁)」1981年にここまで明確にされたが、振り返ることが難しく今に至っている。しかし、冒頭から「これはアメリカの一天才が書いた非常に偉大な書物です。」で始まる(何箇所か同義の言葉あり)。なじめない。2023/08/16
roughfractus02
9
同じテーマを扱い続けると文体や構成の方が際立つようだ。第二次大戦の従軍体験は書いても教訓にはならない。戦後も人は戦争が好きであり、都市を破壊し人を殺すことに興奮しているからだ。相手を敵と見なして戦いに勝つという英雄的な物語は滅びない。そんな物語をドタバタ喜劇に変換してきた著者は、自伝すらも物語性を寸断し、多様な素材(文体)を貼り合わせる(コラージュ)ようにして読者に差し出す。面白いのは、ブレヒトが笑いで物語を異化したように、自作にA〜D段階の評価して突き放しているところだ。この作品にはC評価が付いている。2023/07/04
ころっぷ
2
やっぱりこの人の文筆家としての覚悟と潔さはカッコいいな。色々賛否あるかも知れないけど、こんなに信頼を置ける作家は他に思い浮かばない。主題といい、切れの良さといい何度も読み返したい重要な一冊になった。2019/01/07
いなお
1
ヴォネガット一族、宗教、セリーヌ/ヴォネガットがセリーヌについて記述するのは少し意外な感じがするけどもいつもどおりの感じ、つまりサイコーってことです2014/01/16
g830165
0
『アメリカのどこの大学でも、いちばん頭の悪い学生が集まっているのは教育学部で、おつぎは英米文学科と、相場は決まっている。」2016/05/15