内容説明
邪馬台国はどこにあったのか――有明海沿岸に古代の夢を馳せた在野の一研究者。途中、失明の悲運にみまわれながら、約30年の辛苦の末に一つの結論に到達する。この2部は果てしなき研究物語であると同時に、妻の声を「聞く」ことによって、魏志倭人伝などを解析した一人の非凡な日本人の生活記録でもあるのだ。
目次
第2部 伊都から邪馬台への道(東南陸行;金印と稲;プラモデルの国々;筑後川流域にひろがっていた国々;菊池川から阿蘇をめぐる国々;緑川から八代海沿岸の国々;高塚古墳の畿内発生説が崩れる日;有明海の西岸へもひろがる邪馬台連合;女王の都する国;邪馬台国の展望)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ikuto Nagura
3
はじめから邪馬台国の比定地を決め付け、方位や日数に手を加えてこじつける説は、著者の言う通り「字を読めない者の考え」だと思う。本書では、魏志倭人伝に無理な解釈を入れずに見事に邪馬台国にたどり着く。さらに、古墳などの遺跡があり、古い郡や字の名にも痕跡が残っている。でも何かが引っ掛かる。日本語の成立過程についての知識も、記紀の内容についての知識も、弥生時代の地理や地質についての知識も持ち合わせない私には、どこが引っ掛かるのか判じることができないけど…。だからこそ、本書が邪馬台国探しブームへと繋がったんだろうな。2015/10/14
あきいら
0
よいこと書いてると思うけど、他の考古学者への苦言がちょっと多すぎ。2010/05/19