内容説明
「重大事態発生」。官邸の総理大臣に、防衛省統幕議長がうわずった声で伝えた。Z国から東京に向かって誤射された核弾頭ミサイル5個。到着まで、あと43分! SFに初めて挑戦した松本清張の異色長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
36
約60年前に書かれたとは思えない臨場感がありました。特に人間の弱さについてはリアリティがあるように感じました。2023/07/20
rokoroko
20
東京に核が誤射されてパニックになる話。近未来SF。今この時にもありえそうな話。松本清張のSF。本当に起こったらどうなるかしら。私はどう行動するかな?多分食料品の地下貯蔵庫に逃げるかしら・・どうだろうか。ううん2023/01/30
Tui
20
松本清張、こんなのも書いてたのか。核ミサイルが飛来する43分前の東京が舞台のSFパニック小説、って筒井康隆の本かと思った(読んでる最中も)。社会が、理性が、抑制が、あっという間に瓦解する。人生の残り時間があと1時間もないと突然知ったら。しかもその理由が友好国から誤射された核ミサイルという、なんともやるせないものだったら。そんな喫緊の事態において、人はなにを思いどう行動するか。置かれた立場や環境による違い、そしていわゆる群衆心理など、パニック下を想定した清張版・思考実験の作品であります。2016/02/24
ホームズ
15
松本清張のSFってことで読んでみましたが、これすごいですね(笑)あっという間に話に引き込まれてしまって(笑)パニックに陥る人々の感じが凄かった。そして政治家や官僚たちのずれた反応とか。短いし軽く読むつもりが(笑)面白かった(笑)こういう感じのSFは好きです(笑)2011/08/05
サクラ
13
東京都心に隣国が誤射した核弾頭ミサイルが飛んで来る。広島の原爆の五百倍。着弾まで後○○分。。。政府、マスコミ、一般人、受刑者。それぞれの慌てふためく状態が生々しい。これが昭和38年に書かれた作品なのが驚きです。作中に出てくる人々の醜い行動も、死が迫っていると考えれば頷けるとか、自分ならどうするだろうと思いながら読み進みました。息つく暇なく一気に最後まで。ラスト、好きですね。映画のようです。面白かった!2015/07/13