角川文庫<br> テロリストのパラソル

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角川文庫
テロリストのパラソル

  • 著者名:藤原伊織
  • 価格 ¥638(本体¥580)
  • KADOKAWA(2011/10発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784043847013

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内容説明

ある土曜の朝、アル中のバーテン・島村は、新宿の公園で一日の最初のウイスキーを口にしていた。その時、公園に爆音が響き渡り、爆弾テロ事件が発生。死傷者五十人以上。島村は現場から逃げ出すが、指紋の付いたウイスキー瓶を残してしまう。テロの犠牲者の中には、二十二年も音信不通の大学時代の友人が含まれていた。島村は容疑者として追われながらも、事件の真相に迫ろうとする――。小説史上に燦然と輝く、唯一の乱歩賞&直木賞ダブル受賞作!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

紫 綺

151
乱歩賞と直木賞のダブル受賞。アル中の渋い中年バーテンダーが、学生闘争からの絡みで起こった無差別爆破テロの謎を解いていくハードボイルド。些細な伏線が重要な鍵に…。読ませる一冊。2017/10/11

やっさん

129
★★☆ 冒頭でスケールの大きな事件が起こるけど、あとは淡々と沈着に物語は進んでいく。そしてクライマックスも尻すぼみ。直木賞ってだけで期待値が上がったのもあるけど、ワンパンチ足りない印象は拭えず。2016/04/16

k5

79
それは中二病のわたしの頭に炸裂した爆弾だった。。。ポエミーな感想を残したくなる平成ハードボイルドの傑作。実際に読んだのは高校の時だったと思うので、25年ぶりの再読。今読むと、感傷的過ぎてつらい部分はありますが、一人称単一視点の「私」や、不器用すぎる友情、過去との邂逅といったハードボイルドの王道要素満載の上に、謎にじわじわ近づいて行くプロットの構成がうますぎる。やくざの浅井がかっこいいけど、よく考えると行動原理が理解できないとかツッコミ入れられますが、まあ、中二になって酔いしれましょう。2020/06/27

hirune

79
当たり前だけど、テロリストって迷惑以外の何者でもないな。結局どんな非道なことも躊躇わずにやってしまう自分を自身で始末することができず、一番信頼する反面一番憎んだ親友に押し付けたということだろうね。頭が良いが人間的に未発達で甘えた奴は始末が悪いなぁ☆余談ですが、菊地さんはちょっと刑務所でも行ってアル中を治してくれば良いと私は思うよ。2015/10/12

となりのトウシロウ

76
前回読んだ藤原伊織の代表作として名高い本書。さすが代表作と言われるだけある面白さ。新宿中央公園で爆弾テロ発生。偶然現場に居合わせたアル中のバーテン島村は、22年前、知らずに積んでいた爆弾が爆発し死傷者を出し指名手配。以来、菊池から島村に名を変え潜伏生活を送っていた。現場から逃走した島村。その犠牲者にはかつての全共闘仲間、桑野と松下優子の名前があった。一人事件の真相を追う島村。やくざの浅井や優子の娘塔子などのキャラクターが非常に魅力的に描かれる。そして辿り着いた真相は・・・。とにかく面白い!!お勧めします。2021/02/12

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