内容説明
本書は、官僚とメディアの凄まじい癒着と腐敗をえぐり出した衝撃的ノンフィクションである! 共同通信による安倍首相周辺スキャンダル記事の握りつぶし、姉歯建築士の耐震データ偽装事件で巧妙に仕立て上げられた「悪のトライアングル」、粛正された村上ファンドとホリエモン、NHK「女性国際戦犯法廷」番組の改編圧力と朝日新聞誤報疑惑、最高裁・電通・新聞社が仕組んだ「裁判員制度全国フォーラム」偽装広告。国家もマスコミも内側から壊れていく……「黒幕」は誰だ?
目次
第1章 もみ消されたスキャンダル
第2章 組織メディアの内実
第3章 悪のトライアングル
第4章 官僚たちの思惑
第5章 情報幕僚
第6章 検察の暴走
第7章 NHKと朝日新聞
第8章 最高裁が手を染めた「二七億円の癒着」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Twakiz
31
姉歯建築士の事件ってそういえばあったなぁ・・というふうに,社会のひずみのようなものが浮き彫りになった事件があってもしばらくするとみんな忘れてしまう.報道も司法もいろいろ裏話というか本音と建前というか,世間に流布しない裏の事情があるのだということがわかる.騙されないように生きないといけないが,それが凡人にはなかなか難しい.2017/11/06
Z
9
元、共同通信記者のジャーナリストによる現代マスコミの批判。2000年代の本でライブドア事件や耐震偽造、裁判員制度などが騒がれた頃の話。著者の主張は諸悪の根源はは記者クラブ制度。数少ないマスコミが官僚、政治家とのパイプを独占する。マスコミは事実を客観的に伝えることを旨とするため彼らからの情報を纏めるのみであり、このパイプを維持するため彼らに都合の悪いニュースの揉み消しが起こる。それに加え、新聞広告を手がける電通も絡み、上に挙げた事件は、一般的な通念とは異なる様相を著者は暴いていく。著者の誠実な人柄は伝わって2019/01/25
姉勤
9
民主党政権前の著書。政府・官僚・検察・メディア...巨悪を憎む著者が、民主党政権時に著した本は「無い」様です。なぜNHK,朝日新聞が現野党総裁の安倍氏を執拗にバッシングするか、池上彰のそうだったのかばりに解る章があります。まとめの「マスコミ内の記者の中にも良い人間がいるよ(それはぼくだよ)」のロジックが上記の”悪”の組織内では全くないので、染脳にはおすすめです。2012/11/19
Humbaba
8
第四の権力とも称されるマスコミ.しかし,それらの権力は独立しているとは限らない.メディアには,放送する自由の他に放送しない自由も存在する.それは,力を持った存在がそれこそ自由に行使することが可能なのである.2011/12/17
yurari
4
「管理を強化し、効率化を追求すればするほど組織はガタガタになる。もうそろそろメディアの経営陣はそのことに気づいていいはずだ。でなければ、メディアの現場は荒廃していくばかりだ。」2017/12/29