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内容説明
過去と向きあい、現在を俯瞰する。9.11後、世界は本当に変わったのか? 戦後の混乱期に渡米し、ハーバードで長年教鞭をとってきた歴史家は現代をどう見ているか。初めて明かされる研究者修行時代、そして思考遍歴。渾身の書き下ろし! (講談社現代新書)
目次
第1部 歴史と出会う(一九四五年八月 一九三〇年代と戦時中の生い立ち 戦後の歴史教育 ほか)
第2部 歴史研究の軌跡(出会いの蓄積としての歴史 私の歴史研究)
第3部 過去と現在とのつながり(学問と政治 歴史認識問題の根底にあるもの 地域共同体のゆくえ ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちくわん
13
2005年10月の本。1934年生まれの入江氏が高校卒業後、アメリカの大学に留学し、さらにハーヴァード大学院で歴史を学ぶ。結婚後、1959年から2005年までアメリカの大学で教員生活。英語に苦労されたようで、せっかくだから本書を英訳されれば、同一人物が日英で書いた本ができあがる。先日読み終んだセイン氏の本も同じ。もっとも私は英文を読むことさえできればよい。第2部、第3部は、さらっと読み。2019/11/16
Kentaro
7
19世紀半ば、アメリカは文明開化的な変貌を遂げようとした日本と依然として変化を拒もうとした中国を比べて、日本側に好印象を抱いていたという。しかし、日本の文明開化や日清、日露戦争を経て、アジア、太平洋の強国として出現したことに、アメリカ人はかつてない衝撃を受けた。一方で辛亥革命以降、共和国として自己変貌を遂げ、経済や文化の近代化に進もうとした中国に友好的に変化したとも言う。 そして、第二次大戦後は日本が近代化路線にもどり、中国がソ連側につき近代西洋文明を排斥しようとしていることで中国を敵国視するようになる。2018/11/07
oDaDa
6
またまた題詐称。これでは「歴史と向き合う」あたりにしておくべき。歴史とは何かという普遍的な思慮を行うわけでもなく、著者が歴史とどう向き合ってきたかを回想、ひけらかすのが後書きにもあるようにそもそもの主題である。完全に騙された。いや、もちろんそういった類の新書を出版するのは自由ですが(偉そう)読者は題名を見て、己の読書欲を膨らませ購入に至るわけですから、主題とかけ離れたものを堂々と断りもなく、後書きにちょろっと言い訳だのそういった本がまかり通るようなことだけはやめていただきたい。2014/08/08
リョウ
5
著者が大学からアメリカで学ぶようになった経緯、そこでの出会いと研究生活。アメリカに行くことで、日本からという一点からの視点だけではなく、他の視点も取り入れることができたこと、他国の学生に教えることで、凝り固まった思考がだんだん柔軟になる過程を見ることができたこと。国際関係は、かつては国と国との外交のみがクローズアップされていたけれど、実は国レベルではなく民間や文化レベルでの交流にも着目すべきであり、これからもその比重は高まり続ける。2016/11/06
やなぎ
4
ハーバードの国際関係史の教授。言ってることもわかるけど、ちょっと腑に落ちないところも。事実と価値付けを共有することができるのだろうか2016/06/01