星宿海への道

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星宿海への道

  • 著者名:宮本輝【著】
  • 価格 ¥717(本体¥652)
  • 幻冬舎(2016/02発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784344406919

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内容説明

中国旅行中にタクラマカン砂漠近郊の村から、自転車に乗ったまま忽然と姿を消した瀬戸雅人。彼の帰りを待つ千春と幼子のせつ。血のつながりのない弟・紀代志がその足跡を辿るうちに明らかになる兄の人生──。少年期からの憧れ、黄河源流にある「星宿海」とは? 雅人が抱えていた戦後から現代に至る壮絶な人間模様を、抒情豊かに貫く感動巨編。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

chikara

74
何年振りの再読だろう。何故、雅人は星宿海へと旅立ったのだろうか。自分の原点、母なる場所を目指して。近づけば近づく程に子供に、物乞いをしていた幸せな時期の幼児に戻っていったのだろう。セツが千春の元で生き直すように、母と生き直す為に旅立ったのだろうか。2016/06/02

i-miya

61
(宮本輝) 1947、兵庫県生まれ。『泥の河』で太宰治賞。(背表紙裏書) タクラマカン砂漠付近の村で自転車で消息を絶った兄。残された千春とせつ。血のつながらない弟・紀代志が足跡を辿る。戦後→現代。(解説=吉田和明=文芸評論家) いつもはひたかくしにしていたものが宮本の小説で露出。涙。共鳴しだす。「抒情」リアリズムの裏づけ。昭和30年頃の「その時代」 ブリキやゼンマイ仕掛けのおもちゃのセールスマン。H09、50歳、中国旅行。真喜子、雅の幼馴染たち。2010/12/13

るい

44
宮本さんの描く関西弁はなんだかとても優しい緩さで、哀しく暖かく沁みてくる心地よさに浸れる。 登場人物の表情や背景が瞼の裏に映るような物語は心の深くに入ってきてその世界に自分もいるようでずっと読んでいたい気持ちになる。追い求める幻想と厳しい現実との開きに落胆しながらも高度成長の裏側で貧しさに負けず生き抜く気概に心が動く。ラストはあっけなかったけれどそれがなんだかリアルで余韻が残る。 2021/08/15

ω

32
宮本輝の長編読了ω 盲目で足が悪い母と一緒に物乞いをしていた雅人。やがて母が死に、一般的な家庭に引き取られ大人しく育ち、子供を授かるが…… 母への想いを断ち切れず、中国にある星宿海と母の故郷を重ね、一種の放蕩とゆーか現実逃避をする五十路男。母の名前を娘に付けて母の人生をやり直させた? 宮本先生は彼をモチーフに何を伝えたかったのでしょう(・・?)結局分からず終いだった。。2019/10/30

エドワード

32
発端は中国奥地での日本人旅行客の失踪だった。彼・瀬戸雅人は、黄河の源流とされる星宿海に異常に興味を抱いていた。彼の弟の紀代志が、平成九年から昭和三十年へ、二十四年へと時を遡り、明らかになる雅人の哀しい前半生。ミステリー小説の常道をふみながら、ミステリーを主題としない物語。星宿海とは、星のような湖群と、海のような星空のダブルミーニングだ。しまなみ海道に建てられる、雅人の恋人千春が彼の娘せつとともに育む夢の旅館の名が星宿。雅人を養子にした紀代志の両親の姓が瀬戸…。この縁の不思議さが真の主題ではなかろうか。2015/09/14

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