内容説明
聖徳太子は血統的にも資質的にも大王に擁立されるべきでありながら、なぜ即位しなかったのか。今なお謎に満ちた生涯と聖徳太子が生きた時代をさまざまな角度から丹念に検証し、古代王権の暗闇に光をあてる。
目次
第1章 聖徳太子は実在しない
第2章 聖徳太子研究の壁
第3章 聖徳太子の作者は誰か
第4章 『日本書紀』にみる三つの顔
第5章 法隆寺と聖徳太子
第6章 聖徳太子信仰の誕生
第7章 聖徳太子転生
第8章 聖徳太子と天皇制
終章 “万世一系”の誕生
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
レアル
49
厩戸は聖徳太子ではない!とする著者の説。聖徳太子という人物は日本書紀で作られた人物であり、その描かれた人物像は中国の思想、つまり儒教・仏教・道教の聖人であるが、モデルとされた厩戸王の時代には、新羅や百済等の朝鮮半島からの渡来人に間接的に学ぶ機会があっても、中国との直接的な交流はまだなかった時代である、よって後世の人間が作り上げたものであるとし、史料や学説など挙げてその根拠としている。聖徳太子という人物はいたのか?それともいなかったのか?いやはや面白い。2021/09/29
たかっち
0
古代史研究家は万世一系のタブーに阻まれてきました。聖徳太子は後世に作られた偶像だと思います。2012/08/22
プリン
0
同じ著者の『天孫降臨の夢』(NHKブックス)を読んで、さらに詳しく著者の考えが知りたく思って読みました。「聖徳太子はいない」という著者の説を完全には飲み込めない(マインドコントロールが解けていない)ものの、「聖徳太子の実在」を示す史料が根拠薄弱であることは納得できました。あとは私自身の心(著者いわく「信仰」)の問題でしょうか?あとは学界主流派の意見を読んで、この問題に蹴りをつけたいと思ってます。2010/02/06
riux_riux
0
三経義ショまで否定してます。2020/01/15