中公新書ラクレ<br> オレ様化する子どもたち

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中公新書ラクレ
オレ様化する子どもたち

  • 著者名:諏訪哲二【著】
  • 価格 ¥814(本体¥740)
  • 中央公論新社(2013/11発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784121501714

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内容説明

かつての「ワル」は、対等をめざして大人に挑戦してきた。しかし、「新しい子どもたち」は、端から自分と大人は対等だと思っている。彼ら・彼女らは、他者との比較を意に介さない。自分の内面に絶対的な基準を持つ「オレ様」になったのだ。「プロ教師の会」代表の著者は、教職生活40年の過程で、子どもたちの変化と格闘してきた。この体験をもとに、巷に流布する教育論の正否を交通整理しつつ、「オレ様化」の原因を探り、子どもたちの「個性化」と「社会化」の在り方を問う。

目次

第1部 「新しい子ども」の誕生(教師と子どもは「他者」である 戦後社会の変遷と子どもたち 幼児期の全能感と「特別な私」 なぜ「校内暴力」は起きたのか 変わる子ども、変わらない教師 大人と「一対一」の関係を望む子どもは「一」ですらない 子どもに「近代」を埋め込もう)
第2部 教育論者の子ども観を検証する(宮台真司―「社会の学校化」か「学校の社会化」か 和田秀樹―学力低下論の落とし穴 上野千鶴子―偏差値身分制と児童虐待 尾木直樹―学校告発はなぜ不毛なのか 村上龍―『13歳のハローワーク』とゆとり教育 水谷修―夜回り先生は「教師」ではない)
終章 なぜ子どもは変貌し、いかに大人は対処すべきか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かおりんご

24
教育書。うーん、批判ばかりで、だからなんなの?と言いたい。確かに最近の子供は変わってきたと言われているけれど、対応策なしじゃ、どうしたらいいのかさっぱりわからない。読まなきゃよかった。2014/02/08

あこ

16
社会の構造変化によりオレ様化した「新しい子供」が登場。教育を考えるうえで戦後を「農業社会的」「産業社会的」「消費社会的」の3つに分けている。今は子どもも親も消費社会的な世代であり、等価交換で対等な関係を求める。個は大切だけど、学校は子ども公共的なあり方を学ぶところ。本当はまず共同体的な教育として子どもたちに「社会が必要と判断しているもの」を学ばせ、そのプロセスの中で「自らが必要とし、望むもの」を学べるように支援していけばいいと言う。今一度、人びとは学校のあるべき姿や意味づけを考える必要があるかもしれない。2017/08/05

tokko

15
教育者という立場から子どもを捉えると著者のような「実感」なのかもしれない。「農業社会的」から「産業社会的」、「消費社会的」へと子ども達が変遷していく過程が詳しく述べられている。「端的に言うと、家庭(の親たち)に教養や文化力があって子どもに「消費主体」の自信を持たせると危険であることを知っていて、なおかつ、人が生きるということは単に経済的な自立を意味するわけではないということを「教える」ことのできる家の子どもたちは、「学び」に向かっていける。」身に染みてそう思います。2020/06/29

たばかる

10
新書365より。端的に言えば、筆者の立場は「資本主義(近代化)の浸透で子どもの自我が変わって」「本来の共同体的な場である学校において自分の主体性を維持しようとする」ことが原因で1980ごろの学生の問題等が起こった、というものだ。さらに学校のあるべき形として「市民社会的な体験、等価交換による知識を受けて見返りとして将来に貢献する」という近代社会における存立の準備の前に「共同体的に作られる権威を基にした一方的な贈与の関係」を示すことで、個々の倫理観や人間としての尊厳的なものを生徒に身につけさせるというそうだ→2018/11/10

魚京童!

8
http://kuzirappa.blog.fc2.com/blog-entry-1358.html2014/01/22

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