内容説明
〔ローカス賞受賞〕青年エンディミオンが少女アイネイアーを守り、地球にたどりついて四年。アイネイアーは救世主たる自らの使命を果たすべく、パクス支配領域への帰還を決意した。だが、パクスを裏で操る〈テクノコア〉は、ひそかに彼女の追跡を再開していた……現代SFの頂点を極めた未来叙事詩四部作完結篇
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
akira
25
ハイペリオンシリーズ第7段。 さらに大きく動く物語。フィナーレを前に、役者たちは集い、場は整っていく。 語られ始める真相。コア、大いなる過ち、アイネイアーの秘密。初期ハイペリオンからの謎である聖十字架や転移ゲート。見え隠れする大きな事件。そして、前期四部作の中心にいたあの女性の再登場も気になるところ。 もはや、夫婦漫才のようになってきた宇宙船とロールの会話。なんだかんだ言いながら、美味しい役回りをもっていく彼(彼女?)が好き。 「あなたが帰ってきたとき、回収するようにとの指示は受けていませんでした」2014/05/11
ふりや
16
アイネイアー、ベティックと別れ新たな冒険の旅に出たエンディミオン。行く先々でわりと悲惨な目に合いながらも、トラブルを解決しつつ、追っ手をかわしつつアイネイアーとの約束を守るために宇宙船を目指します。基本的には前作と同じ流れで、エンディミオン一行とそれを追うパクス軍という構図ですが、なにしろ登場人物が多く、色々な場所で、色々な駆け引きを行っているので気を抜くと訳が分からなくなりそうです。しかし徐々に伏線が回収されたり、新たな驚きの事実が明かされたりと、物語が核心に迫りつつある様子には引き付けらます。下巻へ!2020/06/04
たこのまくら
14
4年の充電期間を終え、本格的に動き出す各勢力。下巻に向けて各勢力の隠し持っている情報が一気に読者に提示されるか?しかし未だにシュライクは自らの意思を持っていない分、謎の存在。デ・ソヤの動きも気になるところ。さらにはロールが「シュレディンガーの猫ボックス」に入れられることになった経緯も未だに謎のまま…。2017/11/23
武夫原
11
なんと言ってもページ数が多い!エンディミオンが冒険する惑星の描写が多いけど、果たしてそれは必要なものだったのか?他にもいろんな部分が書かれていて冗長に感じた。後半で顧問官とアイネイアの長台詞で今までわかりにくかった事実が説明されており、これまでの6巻の場面は「そういうことだったのか」と分かるようになっている。アイネイアの衝撃の告白で、嫉妬に駆られるエンディミオンの気持ちはすごく分かるな。2017/09/19
ハイちん
11
上巻だけで700ページを超える。下巻も合わせると1400ページを超えるというすさまじいボリュームだったが、とても面白いので読み通すのはそんなに苦ではなかった。シモンズさん(あるいは翻訳の酒井さん)の文章がうますぎて書き写しながら読みたいくらいだった。上巻ではガス惑星の描写が特に圧巻でした。2016/09/20