内容説明
「お義母さん、ちょっと出掛けてきます」。たったそれだけの言葉を契機に、かつて内気で平凡な主婦だった伸江は、妄想を肥大させた世界の旅で、逞しく変貌を遂げる。しかし、現実では、彼女による血と狂気の宴が繰り返されていた……。恐怖のヒロイン・伸江が、あなたの中で全ての垣根を破壊する。『オズの魔法使い』をモチーフに、平凡な主婦の狂気とロマネスクを描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
眠る山猫屋
32
虐げられた女性の妄想を仏教という名のソースで和えて、オズの魔法使い風に仕上げた狂気の作品。初読みの時には感じなかった爽やかささえも存在したような。ラスト一歩手前はイヤミス風だが、一気に昇華してくる様は、流石の牧野さん。気の弱い主婦が、現実では連続殺人犯に、もうひとつの世界では初級冒険者として成長していく姿は、普通に応援したくなる。次第に融合していく世界で、意外なほどグロテスクではない。グロテスクだけど。2017/12/16
koguma
25
どうしても読みたかったため、高値で購入した本。内容はかなりファンタジー寄りで、主人公である専業主婦の伸江の妄想と現実が交互に入れ替わり話が進む。主軸となる話はきっと面白いはずなんだけど、ファンタジーの苦手な私にはなかなか話についていけない部分が多かったのが残念。でもまあ、牧野さん好きだから許す。2017/02/24
小太郎
19
この本積んであって行方不明になってました(笑)平凡な主婦響子が紛れ込んだ異世界冒険談!モチーフは題名通り「オズの魔法使い」です。2部構成でテンポよく読ませるのは流石牧野修。異世界で揉まれて段々成長してゆく響子の成長物語になってるし、後半この世界に来た意味が分かってくるところなどもダークファンタジーの醍醐味を感じました。2018/10/12
春が来た
13
妄想が現実を凌駕。復讐劇のような物と、シンクロともパラレルワールドとも微妙に違う冒険劇のような物。気づけば仲間がいたよ。仲間がいたから強くなれた。潜在能力の爆発によるレベルアップ。勧善懲悪。曖昧な結末。そういうの嫌いじゃないし、むしろ大好き。何気なく読んだあとがきが最高に良い。一概に絶対そうとは言いきれないけど、生きてく上で大事なことって曖昧さなのかもしれないと思った。ほぼ同時期に某ドラマの主人公が「最終回が決まってないなんて最高じゃん!」と言っていた。深い。名言。2024/04/05
へーた
10
よくわからなかった。。ホラーじゃないなー。2018/09/27