内容説明
犯罪とは無縁の一色温泉で若い白人女性が殺された。死因は打撲による内臓破裂。首には太さ3ミリの針金が五重にも巻きつけられていた。さらにその数ヵ月後、今度は鋭利な刃物で刺された黒人女性の死体を発見。無残にも十本の指先の肉が削ぎ落とされていた……。田舎町の温泉街で起きた外国人連続殺人事件を警察大学校の日の丸教授が推理する。異色の傑作リアルポリス・ミステリー!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タツ フカガワ
29
首に針金が巻かれ指紋が削ぎ取られた外国人女性が殺害される事件が連続して起きたのは田舎の温泉町。捜査が進展しないところへ、警察大学校の日の丸教授がこの温泉地へやってくる。急遽案内役になった女性刑事藤山まゆみの目を通して見る、日の丸教授の推理劇。地味で渋くて味のある刑事を楽しみに読んできた佐竹さんの警察小説ですが、謎解きを主体にした物語に魅力的な刑事がいなかったのがちょっと残念。2021/09/24
あかつや
5
湯治と過去の事件の捜査という名目で温泉地にやってきた警察大学校の名物教授・日の丸教授。しかし当地では現在外国人を狙った連続殺人事件が発生していた。警察内部を熟知するこの作者お得意のリアルな捜査状況や、身内のゴタゴタなんかが普通の推理小説とは一味違って面白かった。事件も変な方向に動いていって、そう来るかっていうラストだったよ。あと日の丸教授のキャラもいいな。こういう教授が実際にいたりしたんだろうか。この作者って早くに亡くなったそうで作品数は少ないんだけど、なんか好きだなあ。地味だけど芯があるって感じがする。2022/05/30
詩界 -うたか-
2
いや本当に「よそ者」だった。面白かったけど独特な悲しさをこの作家さんも持ってますよね。警察官ってやっぱり報われないのかなとか思い始めてしまった。2019/06/28
Shinke Taeko
1
★★★☆☆2015/11/04