内容説明
米穀卸商の坂本が水死体で発見された。死の直前に坂本が電話した相手は光彦の母・雪江。浅見は母の依頼で調査に乗り出す。一方、長野県では大量の闇米横流し事件が発覚。竹村警部もまた、捜査を開始し……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
54
旅情ミステリ。今回の舞台は長野県と山形県酒田。米がテーマなのだがやはり三十年以上昔の作品なので、やはり読んでいて時代を感じる事がしばしばある。そういえば昔米自由化とかタイ米輸入とか、子供時分色々ニュースであったのを記憶の底に眠っていたのを思い出した。農協が一括で買い上げる等、各地で旨い米を作るために鎬を削っている現在からだとやはり考えられないなあ。そんな昔の話が一度訪れた酒田の風景と共に懐かしく思い出された。ともあれ当時重大なテーマを孕んだ殺人事件、浅見光彦と竹村警部の共演も含めて今後の話が楽しみです。2020/08/22
しんた
5
93年の米騒動が舞台。タイ米が硬かった記憶がある。経済犯罪ぽくやや難しい。竹村刑事と浅見のコラボも珍しい。2020/02/29
トッチ
4
平成の米騒動の時代の話。 えっ、お米って、こんな風に取引されていたんだぁ。と、思いました。 そういえば、冷夏でお米が収穫できなかった時代があり、急遽輸入してタイ米とかあったなぁ。と思い出しました。 2021/01/20
本棚の旅人
1
朝食はごはんとみそしる!これが僕の日課です☆そんな大事なご飯⇒お米にまつわる話が中心です!!そして浅見光彦、竹村警部のクロスオーバー作品♪上下巻ありますがスピード感がありとても素晴らしい作品です!2012/04/22
いぬかいつまき
1
週刊誌連載ということで社会的なテーマを扱わんとし、ミステリーとは一見ミスマッチであるコメを選んだ作者の選択は、直後に起こる大混乱を見るかぎり慧眼と言うべきか。冷夏による大凶作での米不足、加えて日本の厖大な貿易黒字解消のためのコメの貿易自由化、ウルグアイラウンド、タイ米・・・平成の米騒動も今は昔。でも結局、喉元過ぎれば何とやらで、日本人の農業に対する認識ってあの頃とあんまり変わってないのかもね。 ところで本書には、浅見光彦と並んで久しぶりに「信濃のコロンボ」竹村警部も登場、上巻ではまだ顔見せ程度ですね。2011/09/18