内容説明
光彦の母・雪江の絵画教室仲間の池沢が再婚することになった。ところが式の当日、花嫁の隆子は、式場へ向かう隅田川の水上バスから姿を消してしまった。混迷の度を増す事件の中で、光彦自身にも危険が迫る!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
52
旅情ミステリ。今回の舞台は皆さんご存じ、東京は隅田川。東京に行った時に何度も見た橋の上からの川面に映るビル群等を思い出しながら読む。とはいえ今回はミステリとしては中途半端という印象を受ける。水上バスの上から花嫁が消えるというトリックなのだけど途中からある程度推測が付くし、事件解決までの道筋が論理ではなくほぼ偶然によるものだし。その偶然も探偵が行けばそこに手掛かりが行き会わせているという非常に都合のいいものだし。最後は最後で危うい橋渡る必要ないし。この時期の著者、筆が荒れているなというイメージの一冊でした。2020/12/21
ドナルド@灯れ松明の火
14
先日の「はちまん」から、浅見光彦シリーズを物色。やや薄いので2冊目としてチョイス。結婚式直前の花嫁が行方不明になってから、話が急転し使い込みを知られないための殺人と、やや強引なストーリーだった。2014/04/02
いさらこ
6
再読。旅することが多い浅見光彦ですが、今回の舞台は隅田川、東京から出ません。隅田川沿いに住んでいたことがあるので、わかる地名も多く、町並みを想像しながら読めました。「昔は観音裏に三業地があった」この本の執筆当時も現在もあります。これは言っておかねば。サザエさん方式で永遠の33才だけどこの本だと昭和30年以前の生まれになりますね。坊っちゃん然としてる様子が、どうも男版カマトトっぽくも見えたりする。ラストシーンは消化不良ぎみ。2014/07/02
北の親父
4
東京で起きた事件。結婚式に向かう水上バスの中で花嫁さんが失踪。母親の言いつけで光彦が謎解きに乗り出す。「赤い雲伝説」の小松美保子さん再登場。2012/07/13
いぬかいつまき
4
春のうららの隅田川。浅草から水上バスで結婚式場に向かっていた花嫁が消えた。映画にでもありそうなシチュエーションだが、その後新婦とは一向に連絡が取れない。新郎の知人として式に招かれていた雪江から話を聞いた光彦は事件に興味を惹かれるが、そんな折、隅田川で女性の死体が揚がる。 文庫本で220ページという、シリーズ長編では最も短い話だが、隅田川や浅草の点景を織り交ぜて、よく纏まっていると思う。 ただ、ラストシーンはもうちょっとどうにかならなかったのか。その点、辰巳琢郎主演のドラマ版のほうが優秀かもね。2012/04/30