内容説明
「ああ、もうメッタ斬りに斬って斬って斬りまくりたいわねぇ」気配り、礼儀、人の世話を旨とする、健全な家庭婦人光代さんの近頃の口癖はこれである。自宅で貸間を始めて20年。不倫女子大生、浮気妻、軟弱男性。今や間借人はこんな輩ばかり。ケチでガンコなうるさいばあさんと人に酷評されながらも、他人にも自分にも「誠実」なババタリアンの奮闘物語。ユーモア長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
97
作者お得意のユーモア小説。下宿屋を営んでいる光代さんが、下宿人の生活に口を出して騒ぎが起こる。かなり可笑しくて、読みながら何度も笑った。昔の小説なので古くなっている部分もあるが、テンポが良くて文章も読みやすいので、気持ちよく読了できた。光代さんはいつも怒っている。怒りの主な原因は下宿人たちの生活の仕方だ。だらしなくて、恋愛にルーズなカオルさんが特に攻撃の対象になる。光代さんの口癖は「斬って斬って斬りまくれ」でこれを口にして、気持ちを静めているのだ。光代さんには、当時の作者の気持ちが反映されているのだろう。2018/07/23
こけこ
1
「斬って斬って斬りまくれ」わかるなー、その気持ち。2017/07/13