内容説明
昭和20年8月、広島・長崎に原子爆弾が投下され、日本はついに無条件降伏。永かった戦争にようやく終止符が打たれた。占領軍の統治の下、日本は旧い軍国主義を一掃し、平和国家の建設に取り組むが、そのころ、米ソ間では緊張が一段と高まり、朝鮮半島で、新たな戦争の火蓋が切られていた。
目次
第9部 廃虚の中から(迫りくる重圧 ナチスの崩壊 「大和」沈む 天皇の頼み 大統領と総統の死 孤立 ポツダムと広島 興亡の淵 国敗れて)
第10部 平和の夢(征服者 新憲法 東京裁判 リンゴの唄 老兵は死なず)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
入江
5
いやぁ~、面白かったです。近衛が気にしていたのは、国体ではなく、敗戦によって起こる共産革命の方、という指摘から始まり、空母「信濃」の史上最短記録での沈没。逆さ吊りにされたムッソリーニ。原爆使用に対してトルーマンが感動したとされる文章。東条の自殺未遂…。なかでも、マレーの虎こと山下奉文大将が美しく描かれていました。東京裁判はライトな書かれようで、もっと知りたいことはありますが、おおむね大団円でした。2017/07/07
MIRACLE
0
小説家が週刊ヤングジャンプに五年にわたって連載した戦争の昭和史(全五巻)。第五巻は1945年1月から1951年4月までを扱う(登場する首相は小磯、鈴木、幣原、吉田、片山、芦田、吉田)。本巻では鈴木の和平工作、ポツダム宣言の受諾、連合軍の占領、そして、マッカーサーの解任で締めくくっている。筆者は鈴木貫太郎を深謀遠慮にと富んだ大政治家として描いている(90、99頁)。六年をかけて建造した大型空母「信濃」が、就航わずか17時間後に熊野灘沖で沈没した、という下りには唖然とした(68頁)。璽光尊事件(332頁)。2016/04/03
CCC
0
ナイスジョブ。こういうまだ登場人物が生きてるような近い時代の話は、著者の主義主張が前面に出てきて引っ掛かりを覚えるような内容になってしまうことも多いけど、この筆者は自らの史観を読者に開示することによって、それを上手く回避している。悪役を作ろうとしない書き方にも好感が持てた。何だか記者か教師に向いてそうな気がする、この筆者。2012/07/27
◎平林
0
中古では1円で売られているが、その価値は無限大ともいえる。ヤングジャンプに連載されていたから読みやすい2008/12/06