内容説明
殺されたのは国防省のある極秘計画に協力していた博士で、手にはメモ用紙が握られていた。しるされた手書きの文字はEと読めたが、紙片を回転させると今度はMに、さらには3、Wにも見えてきた!博士が書こうとしていた文字とは?ツイストのきいた「Eの殺人」をはじめ、魅力いっぱいの五篇を収める傑作短篇集
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
17
3編の中短編と2編のショートショートを並べ、ポーカーのフルハウスに準えた作品集。『エラリー・クイーンの冒険』などの初期の短編集と比べるとその出来は必ずしも高いとは云えないのが哀しい所。正直云って幕間劇のように挿入される2編のショートショートミステリは単なる筆休めのような軽い作品で純粋にオチを愉しむ作品となっている。本書では後期クイーンの諸作品のテイストを最も色濃く感じさせる「キャロル事件」が佳作と云える。人間というものはそれほど論理的に行動する生き物ではないという、推理を超えた推理を見せられた気がした。2012/10/10
布由(ふゆ)
8
ドン・ファンの死 ライツヴィルの遺産2021/04/17
志摩子さん
7
短編というよりは長めなので、短編集ほどもどかしさは感じなかったです。それでもやっぱりエラリー・クイーンは長編だなという感じが捨てられない私です。2016/03/29
ときのき
3
評判のいい、『キャロル事件』目当てで手に取る。中・後期の中編として同様に名の挙がることのあった『動機』よりも好みのパズラーだった。2021/05/02
chanko
3
ワントリック勝負のテンポのいい短編集。まさにクイーンのフルハウス! 中学校の頃読んだ時は、エラリィはもっとおじさんなイメージだったけど、今読むと若僧なんだな〜。2014/02/25