内容説明
叔母の莫大な財産を相続した新倉三重子は、欧州旅行の途中で体調を崩し身動きできなくなった。だがスイスで十年ぶりに再会したばかりの佐和木良行が駆けつけ、危機を救われた。過去にプロポーズを断わった相手だったが、この親切が彼女の心を佐和木に傾斜させ、やがて三重子は結婚を決意する。佐和木には二度の離婚歴があり、前妻は二人とも外国旅行中に事故死していた。三重子はこれを偶然と考えていたが、やがて周辺に恐ろしい事件が……。国際色豊かに描く大型ミステリー・ロマン。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mahiro
5
資産家の独身女性がレマン湖の畔で再会した男と結婚したが、彼は過去に二度も裕福な妻を外国旅行中に亡くしていた。殺人事件が続く割にはふんわりと軽く結末まで読めるが、作者は事件よりも初めて恋愛に目覚めて不幸な結末を迎えた主人公の心を描きたかったのだろう、上品なサスペンスストーリー。2015/04/29
さっちん
2
平岩弓枝は始めて読んだけど、この辺りの世代の女流作家は結構好きかも。女性が女性らしい時代。ミステリーもの。刑事物や探偵ものでもないし、主人公が当初は呑気な感じなので、ハラハラドキドキは少ないけど、なんか品の良い小説だったなぁ〜。2012/11/07