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内容説明
日本人なら一度は読んでみたい万葉集は、どのような作品であり、いつ頃成立し、またそれは日本文学の中でどのような位置を占めるのか。万葉文学の泰斗、久松潜一氏が、万葉を愛し、万葉の美を知ろうとする人々に捧げた入門書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ノヴ
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自然は移ろい、人生は栄枯盛衰の甚だしい。そんな無常風に誘われる世に、万葉人はいかに、美しく生きたか?山上憶良は生を追求する理性的な生き方で、山部赤人はあくまで清らかなものを求めて純粋に生きていく。はじめ私は、愛情と義務を一体と捉え、苦しみにみちた人生を生き抜く、憶良に強く心を打たれた。しかし、両方の生き方が大きくつつみあう点に人間形成の道がある、という久松氏の思いに魅了された。また、真っ当に仕事をするが、明るく享楽主義をうたう大伴旅人に、それもありだよなあと、時空を越えた人間臭さを共に味わえた気がした。2016/10/05