内容説明
会社更生法という大企業優先の悪法を逆手にとり、擬装倒産で私腹を肥やす弱電機器の大手メーカー、イコマ電気社長。傘下の中小企業は軒並み行きづまり、自殺者が出るに及んで、ついに彼等の怒りが爆発した。そのさなか、前経理担当重役の杉村が失踪! 殺された疑いが……。不合理な社会のひずみをクローズ・アップし、激しく糾弾した松本清張の社会派長編推理小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
葉
6
社会派推理小説の旗手とされる松本清張の作品。大手弱電メーカーの機器イコマ電気の社長は会社更生法の大企業優先の悪法で偽装倒産で私腹を肥やす。同社の従業員だけでなく、下請業者にも悪影響を及ぼすスパイラルは何とも言えない。常務や専務も行方不明になるなか、人殺し同然に思われている生駒社長の思惑は、刑事や警察によって紐解かれていく。北川の奥さんの自殺や鈴木の死など600頁もあると、さすがに死亡者は多い。2018/05/04
1goldenbatman
2
会社更生法は、誰のためにあるのか?下請け業者やその従業員たちのためでないことだけは確かである。2017/10/25
イカ男
0
犯罪の陰に女あり。2013/01/06