内容説明
総髪を風になびかせ、巨大な蝙蝠のように両袖をひるがえして石碑の上に立つ髑髏検校。やがて彼は妖しい呪文を唱え始めた。すると突然、墓の中からバラバラの骸骨が飛び出し、まるで生きているように躍り出した! 文化八年元旦、豊漁に賑う房州白浜で、一頭の鯨の腹からフラスコに入った長い書状が出てきた。これこそ、後日、江戸中を恐怖のどん底に陥れた、あの怪事件の前ぶれであった……。怪異の極致を描く横溝正史の異色時代小説、他1編収録。
カバーイラスト/杉本一文
感想・レビュー
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ホームズ
5
『髑髏検校』はストーカーの『吸血鬼ドラキュラ』の翻案ってことで楽しめました(笑)しかし『髑髏検校』よりも『神変稲妻車』の方が活劇として楽しめましたね(笑)敵味方入り乱れてワクワクしながら読めました(笑)2010/07/04
nekonon
0
探偵さんの出てこない横溝物、なんとこれは時代小説(って言っていいのかな)。高畠華宵の絵に出てきそうな美少年少女が活躍し、齢何百歳の妖姫や吸血鬼が入り乱れる活劇物。めまぐるしく変わる場面と鮮やかな世界に酔いしれました。探偵小説じゃないのも面白いんだなー。またこういうのも読みたい。2012/01/14