内容説明
一流銀行エリート社員という立場をかなぐり捨て、地方都市のスーパー石栄ストアに飛びこんだ男。生鮮食品の流通革命にロマンをかける主人公香嶋の行く手には、数々の恐るべき悪意が渦巻いていた……。知られざるスーパー業界を抉り出し、消費者=読者にとって興味のつきない経済ドラマ! (講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hiyu
7
どことなく懐かしい感じがする。昭和のドラマを見ているようなそんな感覚。今でこそ当たり前のことが、試行錯誤を重ねながら洗練され始めている。もちろん、都合よく進んでいくものではなく、対立構造や種々の人間模様を介している。こういうリーダーシップもあるのかな、という印象。下巻ではどう進むのか。2019/05/27
牧神の午後
7
作者はサミットスーパーの社長も務めた方だけあって、食品スーパーの運営の描写がなかなかに生々しい。勿論、時代背景が思いきり高度経済成長期の昭和なもんで、今となっては古めかしい描写(特に女性関係)が合ったりするのはやむを得ないか。とはいえ、古株で現社長の信頼厚いヒールに同主人公が理詰めでクールにたちむかうのか?さらに従業員を巻き込みながら、って言うのはテーマが普遍的なもんで、読んでいて胸熱。2019/04/12
ひつじ
5
昭和の香りがするがなかなか面白い2017/08/16
ぴえり
2
銀行員からスーパーマーケット石栄ストアに転身した香嶋。昭和四十年代の話だけどとても面白い。会社の中の人間関係や、女子社員の扱われ方は、今とは違うなあと思うけど、内容は今の時代にも通じるものがあります。スーパーの内部の話とか、この時代にスーパーマーケットがどう見られていたかなども興味深い。2021/01/31
ことうみ
2
実際にスーパーで働いていた経験をもとに書かれているので、そういった意味のリアルさでは池井戸臭がした。困難や問題に負けないでよりよいスーパーを作ろうとする熱い話。2016/06/29