文春文庫<br> アメリカの壁

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文春文庫
アメリカの壁

  • 著者名:小松左京
  • 価格 ¥509(本体¥463)
  • 文藝春秋(2012/05発売)
  • ポイント 4pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167176099
  • NDC分類:913.6

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内容説明

40年の時を超えて大きな話題になった表題作「アメリカの壁」を含む傑作短編集。

 1977年に発表された「アメリカの壁」に登場する孤立主義者のアメリカ大統領が、トランプ大統領を想起させることから、「トランプ政権 予言の書?」と新聞に取り上げられたり、ネット上で「いま読むべき作品」「現実がSFに近づいた」といった声が相次ぐなど、大きな話題に。

●「アメリカの壁」あらすじ●

 ときは冷戦時代。ベトナム戦争以降のアメリカは国外問題への関心を急速に失いつつあった。「輝けるアメリカ」「美しいアメリカ」というスローガンを掲げて当選した大統領は、国内問題には熱心だが、対外政策はどこか投げやり。

 そんなときアメリカは突然、出現した「壁」に囲まれ、外部との交通、通信が一切、遮断されてしまう。しかし、なぜか大規模なパニックは発生せず、「アメリカは生きつづけるだろう」と語る大統領のもと、アメリカ国民は意外に落ち着いていた。

「どう考えたって・・・・・・これはおかしい」
 アメリカ国内に閉じ込められた日本人ライターは、そんな状況に不審に感じて調査を始める。

「アメリカは、“外”の世界に、ひどくいやな形で傷つき、萎縮(シュリンク)しはじめた。そいつは認めるだろ? 今の大統領は、その方向をさらに強め、妙な具合にカーブさせた。彼は “幸福な新天地時代”のアメリカのノスタルジイに訴え、そこからの再出発を考えているみたいだった」
「たしかにアメリカにとっては、“すてきな孤立”だ」

 そして男がたどりついた真相とは。


 表題作の他に、アンデスのマヤ文明遺跡から出土した棺のなかのミイラがいざなう不思議な時間旅行「眠りと旅と夢」や、「鳩啼時計」「幽霊屋敷」「おれの死体を探せ」「ハイネックの女」といった傑作SF5篇も収録。

 電子版オリジナル解説では、小松左京の家族である小松実盛氏が各作品の背景を詳細に紹介。テーマにこだわらず1977~78年に発表された作品を集めた結果、ミステリあり、コミカルタッチあり、ホラーありとバラエティにとむ本書収録作の位置づけや、同じテーマを扱った他の作品を案内。日本が生んだ最高のSF作家、小松左京の豊潤で広範な作品世界に関する格好の入り口となっている。
 また、初めて公開される自筆メモや、プロの漫画家として活躍した時期もある著者の一コマ漫画を特典画像として収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

森博嗣作品が好き

9
あ~堪能しました^^ SFの大人バージョン短編集。 『SFマガジン』は読んでいましたが、『小説推理』は読んでいなかったので新鮮で嬉しかったです^^2015/11/30

ぱすこ

8
表題作のみの電子書籍の特別版で。アオリ文句がいかにも商売やな〜と思いつつ、気にはなっていたため読んでみたが。小松左京、なんてこった、予言してた。。見る人が見れば、アメリカの今の状況になるのが70年代当時から予見できてたということなのかも。2017/05/03

tama

7
自本 78年の初版本ハードカバー版 小山時代に購入 再々再再読くらいかな。「眠りと旅と夢」が好き。「!」がいくつも用意されてて、再読でも全然楽しめる。ゲス探偵3本は仕組みのアイディアは凄く面白い。しかし探偵のあまりのゲスさに辟易。結局どこも飛ばし読みしなかった。小松大人の凄腕恐るべし。2016/05/06

yi120

2
70年代の短編集、表題作以外も面白かった。ただ「霧状の謎の物質」と「メキシコの壁」は根本が違うと思うが。単独化とエゴ・・それと「アメリカはお人好しで本来持っている豊かさを世界中から奪われている」これは絶対違うと思うが(笑)探偵シリーズの主人公、超出鱈目な奴だが、なぜか憎めない。軽いタッチの描き方もさすがです。「鳩啼時計」シブい・・2018/07/18

mm71

2
タイムリーな電子書籍化。小松左京すごいなとしか思えない。2017/04/09

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