内容説明
本書は、前著『ウェーバーとマルクス―方法・人間・社会・歴史―』(世界書院、1984年)の続編としての性格を持っている。前稿は、ウェーバーとマルクスの関係を原理的に押さえることを主題としていた。それゆえ、法や政治、宗教、文化、さらにはその後の社会主義の展開等に問題をひろげて論じることはしなかった。これを取り扱ったのが本書である。
目次
第1部 ウェーバーとマルクス主義(ウェーバーとカウツキー―ロシア革命論とダーウィニズム的歴史観をめぐって;ウェーバーとレーニン―組織論・政党論・議会論をめぐって;マルクス、エンゲルスとダーウィン―ダーウィン『書簡』をめぐる問題)
第2部 ウェーバーと物象化論(『法社会学』と物象化論;『支配の社会学』と物象化論;『都市の類型学』と物象化論;『宗教社会学』と物象化論―「プロ論を中心に」)
第3部 ウェーバー比較文化論と「近代」の超克(比較文化のための方法論;東西文化圏の合理と非合理;政治による近代の超克―人格的支配の政治的再現;大統領制論の宗教社会学的神秘性―マルクス人格化論と物象化論との対比)