出版社内容情報
夫は、わたしの身内を拷問した「デュー・ブレーカー」(朝露を蹴散らす者=拷問執行人)かもしれない。わたしが勘づいていることを、夫もまた知っているだろう。いつの日か娘が両親の秘密を知って、アメリカでやっと手にしたこのささやかな幸せが失せる時が来てしまうのだろうか……。
カリブの濃密な夜空に輝く星座のように配置された九つの挿話が、ハイチの社会的記憶を浮き上がらせる。
久しく邦訳が待望されていたエドウィージ・ダンティカの二作目の短篇集(2004年)。
死者の書
セブン
水子
奇跡の書
夜話者(ナイトトーカー)
針子の老婦人
猿の尻尾(1986年2月7日 / 2004年2月7日)
葬式歌手(フューネラルシンガー)
デュー・ブレーカー 1967年頃
エドウィージ・ダンティカ[エドウィージ ダンティカ]
著・文・その他
山本 伸[ヤマモト シン]
翻訳
内容説明
夫は、わたしの身内を拷問した「デュー・ブレーカー」(朝露を蹴散らす者=拷問執行人)かもしれない。わたしが勘づいていることを、夫もまた知っているだろう。いつの日か娘が両親の秘密を知って、アメリカでやっと手にしたこのささやかな幸せが失せる時が来てしまうのだろうか…。九つの挿話が、まるでカリブの濃密な夜空に輝く星座のように配置されるとき、故国ハイチの社会的記憶が浮かび上がる。
著者等紹介
ダンティカ,エドウィージ[ダンティカ,エドウィージ] [Danticat,Edwidge]
ハイチ系アメリカ人作家。1969年ハイチのポルトープランス生まれ。経済的理由で両親が先にニューヨークに移住したために、幼少期は叔父母と過ごす。12歳のときにニューヨークにわたり両親と合流、以後ブルックリンのハイチ系コミュニティで育つ。母語はハイチクレオールであるが、文学作品はすべて英語で発表している。バーナード大学卒業、ブラウン大学大学院修了。修士論文をベースにして書いた『息吹、まなざし、記憶』がデビュー作。『クリック?クラック!』で全米図書賞(アメリカン・ブックアワード)最終候補、『骨狩りのとき』で全米図書賞、『愛する者たちへ、別れのとき』で全米書評家協会賞を受賞。最近ではノーベル文学賞に次ぐといわれるノイシュタット国際文学賞(2018年度)を受賞している
山本伸[ヤマモトシン]
1962年和歌山県生まれ。四日市大学環境情報学部メディアコミュニケーション専攻教授。沖縄国際大学大学院非常勤講師。専門は英語圏カリブ文学。研究者の他にFMラジオ人気番組のDJという顔ももつ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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