出版社内容情報
中国・朝鮮・ベトナム・日本の東アジア4国では、近代国民国家形成にあたって儒教はいかなる影響を与え、その現実はどのようなもの…東アジアの国民国家形成は、西欧近代国家のモジュールを単にコピー・アンド・ペーストしてなされたわけではない。そこには儒教的伝統が強く刻印されている。近世後期から近代、そして現代にかけて、儒教的政治思想や政治文化はいかに展開し、また近代的価値を受容するに当たっていかにその受け皿となったのか。また一方で、「儒教」といっても各国での在り方は同じではなく、それがそれぞれの近代に与えた影響とはどのようなものだったのか。一国史の枠をこえて新しい東アジア比較史の地平を拓く挑戦。
序論 東アジアの儒教化と近代(趙 景 達)
第一部 儒教的政治思想の近代的転回
一 一九世紀期朝鮮における対西洋認識と洋擾期の朴珪寿(久留島哲)
二 近代朝鮮における民国思想(趙 景 達)
三 清末士大夫における二つの民認識について(小野泰教)
四 江戸時代の政治思想・文化の特質(須田 努)
五 一九世紀の藩学と儒学教育(小川和也)
六 吉野作造における「歴史の発見」と儒教的政治文化の再認識(中嶋久人)
第二部 儒教的政治文化の近代的転回
一 近代朝鮮における道路整備の展開過程と民本(伊藤俊介)
二 犯罪と刑罰に見る一九世紀末の朝鮮(愼 蒼 宇)
三 済州島四・三事件と政治文化(藤本匡人)
四 救荒の理念と現場(村田遼平)
五 「仁政」と近代日本(大川 啓)
六 天地会とベトナム南部社会(武内房司)
趙 景達[チョ キョンダル]
著・文・その他
内容説明
儒教的政治思想と政治文化の理想と現実。中国・朝鮮・ベトナム・日本の東アジア4国では、近代国民国家形成にあたって儒教はいかなる影響を与え、その現実はどのようなものであったのか?新しい東アジア比較史の地平を拓く!
目次
第1部 儒教的政治思想の近代的転回(一九世紀朝鮮における対西洋認識と洋擾期の朴珪寿―対アメリカ交渉を中心に;近代朝鮮における民国思想;清末士大夫における二つの民認識について;江戸時代の政治思想・文化の特質―「武威」「仁政」のせめぎ合いと「富国強兵」論 ほか)
第2部 儒教的政治文化の近代的転回(近代朝鮮における道路整備の展開過程と民本―ソウルの事例をもとに;犯罪と刑罰に見る一九世紀末の朝鮮;済州島四・三事件と政治文化;救荒の理念と現場―清末北京における「宗室騒擾」をめぐって ほか)
著者等紹介
趙景達[チョキョンダル]
1954年生まれ。千葉大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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