人間社文庫 日本の古層 2
古代諏訪とミシャグジ祭政体の研究

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  • サイズ A6判/ページ数 312p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784908627156
  • NDC分類 387
  • Cコード C0139

目次

地母神の村・序説
「ミシャグジ祭政体」考
蛇体と石棒の信仰―諏訪御佐口神と原始信仰
縄文中期における宗教的遺物の推移―八ヶ岳山麓の住居址を中心として
御作神
洩矢祭政体の原始農耕儀礼要素
御社宮司の踏査集成

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

翔亀

45
【諏訪1】ミシャグジとは、縄文時代の神の一つである。神道や仏教よりも前の古層の神。柳田国男が民俗学の最初期に取り上げたが(「石神問答」1910年)、今だに謎のままだ。しかし、微かではあるがその痕跡は残されていて、ベールを剥がせば少しだけ姿を現す。有名なのが夢野獏の「宿神」(シュクジン、2012)だ。そのネタ本は、中沢新一「精霊の王」(2003)と思われるが、中沢はミシャグジが、歴史の表舞台から姿を消しても、中世の芸能者の間では密かに生き残っていたとする。それが宿神。特に能、世阿弥や金春禅竹(世阿弥の娘↓2020/03/09

テツ

16
柳田國男も『石神問答』で言及していたミシャグジ神について。長野生まれのために諏訪はわりと身近に感じていたので(ぼくの住んでいた北信から遠いけどね)興味深く読めました。今はもう神格も御姿も解らず信仰の形態も定かではなくアクセスすることすら難しい神様でもその残滓は至るところに存在している。神様と恐竜を一緒にするなんて畏れ多いけれど、小さな情報から御姿を想像していく過程って恐竜の化石の発掘に似ているよなあ。読んでいたら久々に諏訪に旅行したくなりました。2020/05/11

∃.狂茶党

12
大和朝廷以前の神を祀る、諏訪神社の最初の祭神と見られる、「ミシャグジ」長く置き忘れられてきた神を、今井野菊という人が歩いて、話を聞き掘り起こす。 縄文の祭儀にまで踏み込むのは、少しばかり勇み足にも思えますが、呪術的権力に集った、あるいはそれを掲げた、部族社会を幻視することは、大変スリリング。 今井野菊インタヴューが収録され、彼女が集めた膨大な資料の一部も読むことができる。 これはもう、今井野菊の本も読むべきなんだろう。 物証が残らない領域に、作者たちは切り込んでいく。 おもしろい。2022/10/09

うさぎや

10
ミシャグジとはどのような神なのか、ということだが、読めば読むほど混迷を深めていくような……。とりあえず2巻へ。2018/04/24

ますりん

7
古部族研究会の人間社文庫版を計4冊仕入れまして、先ずはここから。この本が一番ミシャグジ信仰と諏訪信仰、その祭りの体系の概要を俯瞰的に理解するのに長けてます。今井野菊さん手書きの前宮の地図はこれを片手にまた行きたくなるほど。御室神事や御頭祭のことも非常にわかりやすくイメージ沸きやすく描かれている。狩猟から農耕に移行していくなかで信仰や土器も変化していくことがこの時点で既に指摘されていることも感慨深い。巻末にある今井野菊さんが調査した、全国の御社宮司一覧は圧巻です。2022/05/10

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