内容説明
ヤクザ、闇金、元女性、バイオリン日本一、プッシャー…さまざまな経歴を持つ彼らは、今日も夜を引き裂いて走り続ける。彼らはどんなきっかけで、どんな人生の道のりを経てこの職業にたどり着いたのか。寝静まった夜の街で繰り広げられる物語。
目次
第1章 桜
第2章 スピードが命
第3章 八つの携帯電話
第4章 Bボーイ
第5章 最後の記憶
第6章 夜の魚
第7章 凄み
第8章 バイオリン
第9章 間違い電話
著者等紹介
東良美季[トウラミキ]
1958年神奈川県川崎市出身。國學院大學文学部哲学科卒。ヌードグラビア誌編集者、アダルトビデオ監督、音楽PVディレクター、グラフィック・デザイナーを経て、執筆業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
DEE
12
現役、もしくは過去にデリヘル嬢を送り届けるドライバーをやっていた男たち。 昼間の世界だけを見ていたら絶対に見えてこない物があり、この本はそんな彼らの目を通してそれを少しだけ見せてくれる。 当たり前だけど色々な人生があり色々な仕事がある。それを疑似体験できてとても面白かった。性風俗は実に奥が深い。2020/07/02
今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン
11
デリヘルという業態、なんでそんなに儲かるのかわかんなかったのだけど、ドライバーの腕が売り上げを大きく左右していたということを初めてしった。車を運転するドライバーという職業はいくらでもあるだろうけど、「デリヘルドライバー」と括る必然性はあったのだな。風俗業界の人はみな真面目、という著者の感想があったけど、真面目な人だけがインタビューに応じてくれたのではないか。きっと真面目な人ばかりが著者のもとにやってきたのだと思う。それは著者の誠実さにインタビュイーが感応したのだろう。2018/03/20
yuzyuz_k
10
9人のデリバリーヘルスと言う風俗のドライバー経験ある方達のインタビュー形式のノンフィクション作品です。 受け止め方は、それぞれなんなだろうなぁと思います。 万引家族を見終わった感覚に似た様な読後感です。 タイトルだけで嫌悪する方も多いとは思いますが、読んでみるのも 悪くないと思います。2018/09/20
GoJEF
5
風俗産業に身を置く男性にスポットをあてるという視点が秀逸でした。いろんなルートで風俗業界にたどり着き、また、いろんな道に進んでいく様がまさに東京の闇を駆け抜けるという感じがしました。2018/01/06
JunTHR
4
不意打ちで、めちゃくちゃ良かった。 東良美季の視線は、あくまでドライバーたちの人柄を捉えようとしている。そのベースのおかげで、どの章もすごく生々しく迫ってくる感じがある。そんな中でゲスな期待を裏切らないアングラエピソードも盛りだくさんで飽きさせない。 時折入る著者の自分語りも非常に効いている。東良美希、他の著作も読みたくなった。2019/07/17