出版社内容情報
悲しむ者、虐げられる者への共感と愛。――
“傑作「自画像」「ひまわり」の画家であり、精神的混乱の中で自らの耳を切り落とし、経済的には弟に依存し続けた”ゴッホ。弟テオ宛を中心とする書簡を丹念に読みこみ、その苦悩に満ちた内面が、力強く豊かな筆遣いにどのように表現されているかを読み解く、渾身の書。ゴッホの苦しみは、どのように愛に結びつき、そして数々の傑作へと結晶していったのか――現代の我々に生きる力を与えてくれる絵画は、どのような精神の深みから生まれたのか。
内容説明
貧しく力弱き者に真底共感して、自分が着の身着のままになっても援助し、神話や聖書に形式的に題材を求めるのでなく、真の人間を描きぬいたゴッホ。弟テオ宛の書簡を丹念に読みこみ、その苦悩と愛に満ちた内面が、力強く豊かな筆にどのように結晶しているかを読み解く、渾身の書。現代の我々に生きる力を与える絵画は、どのような精神の深みから生まれたか。
目次
序章 宗教的な、あまりに宗教的な―予備的考察
第1章 暗い青春―画家を志すまで(一八五三年三月~一八八〇年六月)
第2章 画家として立つ―ブリュッセル・エッテン・ハーグ・ドレンテ
第3章 土に生きる―ニューネン・アントウェルペン
第4章 面白うてやがて悲しき…―パリ
第5章 精神の高揚と墜落―アルル・サン=レミ
終章 種をまきおく―オーヴェール
著者等紹介
坂口哲啓[サカグチノリアキ]
1959年長野市生まれ。現在、早稲田大学、明治大学ほかで、仏語、仏地域研究、仏語圏文学文化と日本などを教えている。専攻は近代フランス文学。1995年東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学。パリ第8大学第3課程留学、高等研究免状(DEA)取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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