内容説明
日本人が最も苦手とする「外交」。そのロジック、力学とは何か?―冷戦崩壊後の世界秩序再編のなかで、なぜ日本の「外交」は混迷を脱せないのか?長年海外で活躍し、「外」からの日本像を目の当たりにしてきた気鋭の研究者が、「安全保障」と「多国間協力」という、喫緊の外交課題に正面から向き合い、日本という国家が置かれた歴史的・空間的位置の現実的認証に基づいた「外交」のあるべき方向性を問う。
目次
序 「在外」日本人研究者の視点から
第1部 ひらかれた安全保障政策へ―「普通の国」をめぐって(ソフトパワーからハードパワーへ―転換する日本の安全保障政策;日本の安全保障政策と国内議論;日本の海外派兵決定の分析;日本の対外政策の中の「沖縄」―転機としての普天間基地移設問題;日本の多国間安全保障政策―リージョナルおよびグローバルアプローチ)
第2部 東アジアの中の日本外交―歴史の克服から多国間協力へ(分割された東アジアと日本外交―歴史検討から諸問題解決の鍵を探る;日本外交と東北アジア地域システム―世界システムから見た地域平和の可能性;戦後日本の中国政策―外圧と国益のはざまで;東アジア地域主義と日本―地域概念の形成と定着における役割)
国際権力政治の論理と日本
著者等紹介
原貴美恵[ハラキミエ]
ウォータールー大学レニソン研究教授、東アジアセンター・政治学部・歴史学部(兼任)、国際ガヴァナンス・イノベーション・センター(CIGI)フェロー。オーストラリア国立大学より博士号取得(Ph.D.:1997)、カルガリー大学助教授・准教授を経て現職。この間、ロシア科学アカデミー東洋学研究所、東西センター(米国)、東京大学、東京外国語大学、ストックホルム大学で客員研究員及び客員教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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