感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
6
手紙と船の速度は情報と経済の流通速度の基準である。著者が6000万人と見積もる16世紀地中海世界は、その速度に乗って人、食料、香辛料、金銀、手形、貨幣(スペインのレアル)をアジアから大西洋の向こう(アメリカ大陸)まで流通させて行く。人口増加と食糧不足、遠隔地貿易の縮小と市場経済の拡大は、地中海の中心を西側(ヴェネチアからスペインにかかるジェノヴァへ)に移動させる。加えて、度重なる戦争が西地中海を「銀の帝国街道」にし、手形発行の回転や流通速度の増大を促し、インフレを巻き起こしながら大西洋へとその舞台を移す。2019/06/29
ゆずこまめ
3
何年に誰が何をしたというのが歴史だと思っていましたが、もっと大きな視点で見る歴史。 歴史に残る大事件ではなく市井の人々による歴史。歴史に名前は残らなくても、彼らは確かに歴史を作ったのだ。 そして私達も。2018/07/28
R
1
地中海での取引に焦点を当てる。絶えず繰り返される交換は,地中海の各地域を発展させる。貴金属から小麦まで様々な商品が売買され,多くの船が行き交う。拠点は時代によって変化していく。多いなる交易の舞台としての地中海の姿が描かれる。2020/03/17
Nunokawa Takaki
1
第一巻に引き続き、第二巻も壮大だ。あらかじめ一巻で地理を頭にインプットさせていた為か今回はより楽しめながら読む事ができた。イタリアやスペインの強大さに加え、やがてポルトガルやイギリスがのしあがってくる。いやあ地中海の醍醐味というのにどんどん惹かれていくなあ。それでも一回読んだだけでは掴みきれないのはもちろんだ。再読必須。2015/05/17
Kanou Hikaru
0
本棚整理中・・・ 友人知人に紹介したい本として登録。ジブリの映画「紅の豚」を、何度も見直してみたくなった。